被告は殺意を否認。自宅で酒を交わしながら頼んだ「10万円を貸してほしい」…拒んだ知人はあおむけに寝た。左腹部に包丁を刺した。検察は「明確な意思がなくとも殺意があった」、弁護側は「痛めつけようと犯行」と傷害罪を主張 殺人未遂罪の初公判 鹿児島地裁

 知人男性を包丁で刺して殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた鹿児島市上之園町、作業員の被告男(62)は4日、鹿児島地裁(小泉満理子裁判長)の裁判員裁判初公判で「殺すつもりはなかった」と起訴内容を一部否認した。

 検察側は冒頭陳述で、被告宅で男性と飲酒し、10万円貸してほしいと頼んだが断られ、床にあおむけで就寝した男性の左腹部を刺したと説明。「明確な意思がなくとも行為の危険性を認識しており殺意があった」と指摘した。弁護側は「男性を痛めつけようと考え犯行に及んだ」とし、傷害罪にとどまると主張した。

 起訴状によると、被告は2023年3月19日午前3時〜同14分ごろまでの間、被告宅で寝ていた同市の無職男性=当時(63)=の左腹部を刃体約18センチの包丁で刺して殺害しようとし、約2カ月のけがを負わせたとされる。

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