富山湾のシロエビ不漁、海底近くの濁り原因? 富山大など研究報告、地滑りで生息環境悪化か

 富山大、九州大、長崎大でつくる研究チームは4日、能登半島地震による海底地滑りの影響調査の中間報告を発表した。富山大によると、富山湾の海底谷で地震の影響とみられる地層の堆積があった。海水が濁っていたことから、シロエビがこのような水環境を避けた可能性があると指摘。不漁につながったのではないかとの見方を示した。

 調査に参加した富山大学術研究部理学系の張勁(ちょうけい)教授によると、富山湾の水深1300メートル付近の海底谷で、最近の地層が約15センチ堆積していることを確認。泥で海底近くが濁り、酸素濃度が低下していた。シロエビの生息環境が悪化し、不漁につながった可能性が高いとした。ベニズワイガニも地滑りの影響で埋もれたり、環境悪化で移動したりした可能性があるという。

 調査は、5月31日から3日間にわたって実施。長崎大の練習船「長崎丸」を使い、土砂の流れを調べる機器の回収や、海水や堆積物、プランクトンの採取を行った。最終結果は、半年以上かけてまとめる予定。

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