宣長の著作、テーマごとに紹介 松阪の記念館で夏の企画展 三重

【宣長の主著「古事記伝」全44巻(本居宣長記念館提供)】

 【松阪】三重県松阪市殿町の本居宣長記念館は4日、夏の企画展「ふみの森~宣長の著作~」を始めた。会期は9月8日まで。入館料は大人400円、大学生300円、小学校4年―高校生200円。

 宣長は主著の「古事記伝」など50種類を刊行したが、他にも著作があり、企画展では著書をテーマごとに紹介する。82種137点を出品。そのうち国重要文化財は40点。

 「続紀歴朝詔詞解」は日本書紀に続く正史「続日本紀」に載る天皇の言葉「宣命」の注釈書。古事記を解読するため研究した。

 紀州藩の藩政改革のための提言書「秘本玉くしげ」では「いづれも下の非はなくして、皆上の非なるより起れり」と指摘。公開に差し障りがあるとして、刊行は宣長の没後50年と遅れた。

 同館は「有名な物からあまり知られていない物まで紹介する。何を考えて何を研究した人なのか分かる」と来場を呼びかけている。

 展示説明会は6月15日、7月20日、8月17日のいずれも午前11時から。

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