「ドライバー市場で最高なのはサインツかツノダ」前ハース代表が角田裕毅を称賛、アルピーヌに獲得を推奨!「私なら起用を検討する」

ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は今季、ここまでの8戦中5戦で入賞を飾るなど好調を維持しており、ドライバーランキングでも通算19ポイントで10位につける健闘ぶりを見せている。

チーム関係者、ファン、各国メディアからも称賛され、今季のF1の主役のひとりとなっている24歳の日本人ドライバー。RBとは1年契約であることもあり、当然ながらその去就にも注目が集まっており、様々なチームの名が新天地候補として挙がっている状況だ。

F1デビュー以来目標として掲げてきたレッドブル昇格については、現ドライバーのセルジオ・ペレスが複数年でレッドブルと契約を更新したことで事実上消滅。また、2026年にホンダとパートナーシップを結ぶアストンマーティンも、シートが空くかどうかは不明ということで、こちらもネガティブな見方が少なくない。

とはいえ、今が旬のドライバーには他にも多くの選択肢が示されており(あくまでも各国メディアの噂や憶測だが)、RB残留の他、ハース、ウィリアムズ、ザウバー(2026年からはアウディ)、アルピーヌなどへの移籍の可能性も示唆されている。

英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「何をしてもレッドブルに将来はなく、ホンダの存在にもかかわらずアストンマーティンから採用される可能性が低い中、今こそ角田は自身の運命を自分で決めるべき時なのか? 今季チームメイトのダニエル・リカルドに対して明らかな優位性を確立した角田の評判は、かつてないほど高まっており、角田は最近、他チームからの関心を集めている」と綴り、以下のように続けた。

「角田が将来について最終決定を下す際には、ハースのチーム代表である同胞の小松礼雄の影響が大きくなる可能性がある。小松代表がまるでフランツ・トスト(トロロッソ、アルファタウリ時代のチーム代表)の役になりきり、角田の指導者として、彼の最後の粗い部分を滑らかにするのを手伝っている姿を想像したくなる」
そして先日は、アルピーヌがモナコ・グランプリでの同士討ちが引き金となったか、エステバン・オコンの今季限りでの離脱が発表されたことで、このフランス籍チームで角田が再びピエール・ガスリーとコンビを組むのを予想するメディアも増加している(ガスリーの来季の去就も定かではないが)。
この組み合わせを推すのは、メディアだけでなく、今冬に電撃的にハースのチーム代表を退任したギュンター・シュタイナーも、『The Red Flags Podcast』で、自身がもしアルピーヌを指揮することになった場合、どのような動きを見せるかを明らかにしている。

「まず、これまでと同じ2人にはしないだろう。そして、(今季でフェラーリとの契約満了を迎えるカルロス・)サインツが来るとは思わない。その上で、私は角田の起用を検討するだろう。ワークスチームなら、市場で最高のドライバーを獲得するための資金もあるはずだ。市場に出ているドライバーでは、最高なのはサインツか角田だと思う。だから、私はそのどちらかを狙う」

これを伝えた英国のF1専門サイト『F1 OVERSTEER』も、「フランスのチームが角田を選択肢に入れなかったとしたら、それは驚きだ」と綴っているが、スポーツ専門放送局『FOX SPORTS』のオーストラリア版は、「レッドブル昇格の道が閉ざされたように見える角田は、他チームへの移籍を模索していると思われるが、アルピーヌについては現在の同チームの調子の悪さが、加入の妨げになるかもしれない」と、ネガティブな展望を示す。

RB(当時はアルファタウリ)のシートを守ることが全てだった昨季までとは異なる状況で、この先、角田にどのような選択肢が与えられ、彼がどのような決断を下すことになるのか、コース上でのパフォーマンス同様に非常に気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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