大村湾鉄路の旅 味わう 観光列車「ふたつ星」試乗会 おもてなし一部変更 JR九州

乗客にコーヒーを振る舞う子ども。長崎県産酒飲み比べセットの販売もあった=西彼長与町、長与駅

 JR九州が長崎-武雄温泉の在来線で運行している観光列車「ふたつ星4047(よんまるよんなな)」のうち大村湾コース(長崎発)の試乗会が4日あり、福岡県の旅行会社関係者や沿線自治体職員らが参加した。
 3月のダイヤ改正時、途中で「おもてなし」をする2カ所のうち諫早駅を長与駅に変更。車内体験もリニューアルした。
 長崎駅を午後2時53分に出発。長与駅に同3時過ぎに到着し、地元の子どもたちが旗を振ってお出迎え。本県産酒の飲み比べセットやコーヒー、菓子を元気よく乗客に勧めていた。千綿駅では住民が「そのぎ茶」やジャムを販売。乗客は木造駅舎や海を背景に白い車体を写真に収めた。

木造駅舎と海を背景に車両を撮影するため下車した乗客ら=東彼東彼杵町、千綿駅

 線路と海が近い区間は、車窓から景観をより楽しめるよう減速。ビュッフェのメニューには伊木力みかんゼリーなど長崎、佐賀両県の味覚が並ぶ。車内で焼くフワフワ食感の「長崎スフレ」は数量限定の予約制。副島園(佐賀県嬉野市)が専用茶畑で育てた葉を使う「うれしの冷茶飲み比べ試飲体験」は、乗務員が茶の歴史や文化、種類などを解説した。
 所要時間は約3時間。参加した佐賀県太良町の女性職員らは「車から見る景色とは違って新鮮」「その土地の魅力を楽しめた」などと感想を述べた。
 ふたつ星は2022年9月の西九州新幹線開業に合わせて運行開始。金~月曜を中心に有明海コース(午前、武雄温泉発)との計2コースがある。3両編成で全席指定。JR九州によると、5月の乗車率は71%。同社の観光列車10種類の中でも比較的人気が高い。客層は幅広く、最近はインバウンド(訪日客)が増加。新幹線との併用が大半を占めるという。

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