青森県の子ども医療電話相談、初の1万件超 コロナ5類移行で対応増か

 青森県は4日までに、子どもの急病について休日・夜間に小児科医や看護師が電話相談に応じる「子ども医療電話相談(♯8000)」の2023年度実績を公表した。相談件数は22年度比2973件増の1万2460件で、事業を始めた06年度以降で初めて1万件を超え、過去最多となった。新型コロナウイルス感染症の5類引き下げに伴い、発熱などコロナ感染が疑われる子どもの相談対応が増えたとみられる。

 症状別の相談内容は「発熱」が最多の4697件で22年度から1332件(39.5%)増加。次いで「外傷・熱傷」が1513件(前年度比12.1%増)、「嘔吐(おうと)」が1108件(同3.8%増)と続いた。

 また「咳・喘鳴(ぜんめい)」は64.8%増の948件、「発疹・かゆみ」は63.9%増の841件、「腹痛」は65.5%増の404件などで、増加率が高かった。

 コロナ対策緩和などを背景に、季節性インフルエンザやヘルパンギーナといったコロナ下で抑制されていたさまざまな感染症の流行も影響したと考えられる。

 相談対象者別にみると、3歳未満が53.1%、3~6歳未満が25.6%と未就学児が大半だった。時間帯別では午後6~9時の相談が多く、全体のおよそ3分の1を占めた。曜日別では土日祝日の相談が全体の半数超に上った。

 県医療薬務課は「保護者の不安の軽減のほか、受診の緊急性をある程度判別できるため小児救急医療の負担軽減にもつながるものと考えている」とし、「保護者にとって電話相談のニーズは非常に高いと認識している。引き続き不安解消と、適切な医療を受けられる体制づくりを進める」とコメントした。

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