高齢化率55%でも「消滅可能性」とされなかった昭和村 ポイントは移住者支援 福島

福島県の人口は、1998年の213万人をピークに今年5月現在は175万人まで減少し、人口減少対策が喫緊の課題となっています。こうした中、注目されるのが、県外からの移住者です。

今年4月、民間の有識者で作る「人口戦略会議」は、2050年までに、20代から30代の女性が5割以上減る自治体を「消滅の可能性がある」として公表しました。福島県では、震災と原発事故の影響がある浜通りはひとつの地域として推計され、その結果、県内の33市町村が将来的に「消滅する可能性がある」とされました。

65歳以上の高齢者の割合が55%と、県内でも高齢化率が高いにもかかわらず、このグループに含まれなかったのが、移住者に対する雇用を積極的に生み出している「昭和村」です。

移住者支援で人口減に歯止めへ

カスミソウ農家・大山恵さん「前の職場は接客業だったんですけど、土に触れながらの作業、職もすごい良いなと思っています」

昭和村に移住し、新規就農者としてカスミソウの栽培に取り組む大山恵さん(32)。

大山さん「主人が前職の乗合バスで腰痛がひどくなってしまって、人の命を預かっていながら、腰痛を持っているのはどうかと不安になってきたみたいで」

そして4年前、夫・賢一さんが元々興味を持っていた農業を仕事にしようと、家族3人で東京から昭和村に移住してきました。人口減少に歯止めがかからない中、注目される県外からの移住者。村では、2003年からUターンやIターンを対象としたカスミソウの新規就農者の受け入れなどを行っていて、これまでにおよそ100人が移住してきました。大山さんは、子育てでも大きな違いを感じているといいます。

大山さん「子どもと接する時間が圧倒的に違って、東京では本当に話を聞く時間もなかったけど、帰ってきてからもきょう学校どうだったって聞く時間も持てて、すごい良いなと思います、こっちの方が」

そして、移住者同士が気軽に相談しあえる環境が移住・定住につながるポイントだと話していました。

また、昭和村では、移住支援のほか、出産祝い金として子ども一人に対して10万円を支給するなど、子育て支援にも力を入れているということです。



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