「数百年の歴史で初めて」「怒りと悲しみ」不届者に住職怒り 国の文化財「摩尼寺本堂」に油性ペンで「落書き」

不届者の仕業でしょうか。
東京・千代田区の石柱に赤いスプレーで「トイレ」と英語で落書きされているのが見つかった事件が話題となっていますが、鳥取県鳥取市の古刹、摩尼寺の本堂にも、油性ペンで書かれた落書きが見つかりました。

日野彰紀 記者
「四天王が見下ろすこの本堂で不届きなことをする者がいました。あちらの柱で落書きが見つかったのです」

柱の落書きは、男性の名前と思われる4文字が上下に2つ並んでいます。

鳥取市の摩尼寺は、昔から信仰を集める天台宗の寺院。
秀吉の鳥取攻めで焼き討ちに合いましたが、本堂は江戸時代に再建された由緒ある建造物で、国の登録有形文化財となっています。

先月31日、作業をしていた住職が落書きがあるのを見つけました。

摩尼寺 居川敬信 住職
「怒りと悲しみですね、お寺を守れなかった自分に対する怒りでもありますけど」

本堂の拝観時間は朝9時半から夕方4時半。落書きがあった柱の近くには護摩木に願いを書くための油性ペンが備えられていて、この油性ペンが落書きに使われたのではないかとみられます。

これまでに本堂で落書きが見つかったことはありません。

摩尼寺 居川敬信 住職
「数百年の歴史で初めてだと思いますので、こんなことがあってはいけないと。
お寺だけじゃないですよね、普通の家にだってそうです、人に迷惑が掛かること、自分がやられたら嫌だと思います、そういうことを改めてもらいたいなと思っています」

貴重な文化財は寺だけのものでなく市民みんなの宝だと、摩尼寺では柱の落書きを消して修復するとともに、警察にも相談しています。

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