わかやま森林と緑の公社×ENEOS 協定調印 脱炭素社会の実現へ

「森林を活用した脱炭素社会の実現」に向けた連携協定の調印式がきょう(6月5日)、和歌山市で行われ、「わかやま森林(もり)と緑の公社」とENEOS株式会社の代表者が調印し、協定書を取り交わしました。

下理事長(左)と志賀常務執行役員

これは、温室効果ガスを実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に取り組んでいるENEOSが、排出せざるをえない温室効果ガスを吸収するため、わかやま森林(もり)と緑の公社に呼びかけ、実現したものです。

ENEOSは、2030年度までに、事業活動で排出する二酸化炭素の排出量を2013年度と比べて46%削減するという目標を掲げていて、すでに3つの道県で連携協定を結んでいます。

調印式では、「わかやま森林(もり)と緑の公社」の下宏(しも・ひろし)理事長と、ENEOSの志賀智(しが・さとる)常務執行役員が協定書にサインしました。

協定では、公社が日高川町などに所有するおよそ3000ヘクタールのスギやヒノキの森林を対象として両者が、役割を分担して森林由来のJ‐クレジットを創出し活用します。

J‐クレジットは、適切な森林管理による二酸化炭素などの吸収量をクレジットとして国が認証するもので、ENEOSは、創出されたクレジットを、事業活動で排出された二酸化炭素のオフセットに活用する一方、公社は、クレジットの売却益を森林整備に活用します。

調印式にはキノピーも立ち会った

調印式では、ENEOSの志賀・常務執行役員が「今回は、長年、製油の操業でお世話になってきた和歌山県と一緒に取り組める事業で、クレジットを買い取るだけでなく、クレジットを創り出すところから協力できるので、ENEOSとして意義深い。協定では、今後10年にわたって、年間1万トン規模の森林クレジットの創出が予定されており、カーボンニュートラルの目標達成に向けた着実な一歩になる」と力を込めました。

挨拶する志賀常務執行役員

また、「わかやま森林(もり)と緑の公社」の下(しも)理事長は、「創出したクレジットを買い取ってもらうことで、公社にとっては、計画的な森林整備を行う財源を安定して確保できることになる。今後20年間で、手入れが必要な森林およそ2900ヘクタールの間伐を実施できる」と話しました。

挨拶する下理事長

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