イタリア人教授が感じた「日本の素晴らしいところ」 街中で目を奪われた光景とは

イタリアで教鞭を執るカルロ・プルソーニさん【写真:Hint-Pot編集部】

日本の伝統文化に興味を持ち、訪日する外国人観光客が増えています。日本には世界的に見ても、独特な発展をしているものが数多くあり、そうした文化体験は最高の思い出になるようです。2018年に訪日したというイタリア人教授は、日本の日常に根付いている伝統に目を留めました。どのような光景だったのでしょうか。

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京都の鞍馬寺が最も印象に残った場所

イタリアのペルージャ大学文学部教授のカルロ・プルソーニさん。2018年、東京大学や大阪文化センターなどで言語研究の講義を行うため、初めて日本を訪れました。10日間滞在し、東京、大阪、京都をめぐったといいます。

講義を通じて日本人の教授や学生たちと話ができたことは、とても刺激になったそう。とくに京都では、日本で最も印象に残ったという場所にも出合いました。それは京都府京都市にある鞍馬弘教の総本山である鞍馬寺です。

「お坊さんの衣装を初めて見て、とても美しくて驚きました。読経の様子も素晴らしかったです。そして、なによりもお線香の煙と、なんとも言えない深い香りが忘れがたかったです」

厳かな雰囲気や僧侶たちの勤行に、目を奪われたようです。

日常に溶け込んだ伝統文化や工芸品にうっとり

日本の宗教に感じ入ったカルロさん。ほかにも、心に残ったことがありました。

カルロさんの滞在中、日本はちょうど卒業式シーズン真っ只中。街中で、着物や袴姿の学生を多く目にしたといいます。

伝統衣装の和服を、卒業式や成人式、結婚式といった節目の儀式で着用する日本人は多いでしょう。また、普段着として着る人は少なくなっていますが、花火大会やお祭りなどのイベントで浴衣を着る人も多く、若い世代にも着物文化は根付いています。

また、カルロさんは、木工の伝統工芸品、陶器や茶器セットにも目を奪われました。古くから受け継がれてきた技術で製造されている工芸品の数々は、「美しかったのを覚えています」と話します。

生活に密着し、暮らしを豊かにする織物、陶磁器、木工品、和紙などの伝統工芸は、日本各地に約1300種類あるといわれています。近年、ツウな訪日外国人から、こうした伝統工芸品の注目度が高まっているといいます。

「日本の素晴らしいところは、伝統を重んじること」

日本での体験を、そうまとめたカルロさん。日本人の日常に溶け込んでいるものでも、違う文化を持つ外国人の視点からは真新しく映り、鮮烈な印象を与えるようですね。

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