世界ランク1位・ポーランド戦は宮浦健人、甲斐優斗らを起用! 日本男子バレー52年ぶり五輪メダルへ、ブラン監督明言「チャンスを与えたい」【ネーションズリーグ】

パリで大輪の花を咲かせるため、大胆なターンオーバーを明言した。

6月5日、バレーボール最強国決定戦「ネーションズリーグ(VNL)」の第2週・福岡ラウンドの第2戦が西日本総合展示場(福岡・北九州市)で行なわれ、すでにパリ五輪の切符を獲得している男子の日本代表(世界ランク4位)は、やはり五輪出場権を獲得済みのドイツ代表(同12位)と対戦し、フルセットの激闘の末、3-2(25-22、22-25、25-27、25-23、15-8)で競り勝ち2連勝。通算成績を5勝1敗に伸ばした。

文字通りの死闘だった。両チームとも一歩も譲らない一進一退の攻防が第1セットから4セットまで続き、セットカウント2対2の同点。勝負の決着は最終セットに持ち越された。

日本は福岡ラウンドから合流したキャプテンの石川祐希、高橋藍が躍動。さらに、オポジットの西田有志がサウスポーから放つ強烈なスパイクが何本もドイツの高い壁をぶち抜いていく。3人が得点を重ねて一気に点差を広げて、ついにマッチポイント。超満員に膨れ上がった約8000人の大声援を背に押し切り、苦しい戦いをモノにした。
今大会をパリ五輪の前哨戦と位置付けている日本にとって、同じくパリ切符を掴んでいる難敵を最後の最後で撃破できたのは、チームとして確かな地力が付いてきた証だろう。VNL予選ラウンド終了時の世界ランクが、五輪本大会の組み合わせ抽選に影響するため、日本を率いるフィリップ・ブラン監督は今大会を同ランク5位以内を目標にしている。残り2試合は7日に世界ランク1位・ポーランド代表、8日に5戦全勝のスロベニア代表(同5位)と、いずれも強豪国と相まみえる。

ドイツとの激闘後、同監督は記者会見の席で次に対戦するポーランド戦のプランを問われると、「この2戦でプレー時間がなかった選手たちにチャンスを与えたい」とコメント。具体的な選手起用を述べた。

第1週のブラジル大会で石川や高橋の不在を埋める活躍を見せたオポジットの宮浦健人、現役大学生で次世代を担う20歳の逸材・アウトサイドヒッターの甲斐優斗、セッターの深津旭弘ら3人の名前を挙げ、ポーランド戦の起用を示唆。つまり、ポジションが同じ西田と石川が次戦はベンチ、セッターの関田誠大はドイツ戦後に痛みを訴えたため、ベンチ外が濃厚。さらに、リザーブ登録の大塚達宣(アウトサイドヒッター)のメンバー入りを併せて明言した。

ブラン監督は、その先のスロベニア戦を「特に重要な試合」と見据えており、「(スロベニア戦に)良いリズムで入るようにプレー時間を与えたい」と話し、チームの底上げを図るため、格上相手にターンオーバー起用を示した。

すべては1972年ミュンヘン大会以来の五輪メダル獲得のため――。フランスの智将は、着々とパリ五輪に向けたメンバー選考を絞り込んでいる。

構成●THE DIGEST編集部

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