藤枝順⼼が劇的CK弾で常葉橘との激戦を制し12連覇達成

藤枝順心集合写真(写真=西山和広)

 6月2日、令和6年度全国高校女子サッカーインターハイ(総体)静岡県予選の決勝がエコパスタジアムで行われ藤枝順心が常葉橘に1-0で勝利し12年連続の優勝を決めた。

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 新チームとなってリーグ戦を含め今年初めての対戦となった両チーム。芝に足を取られボールをロストするなど立ち上がりこそ固さが見られ、攻守の切り替わりが目まぐるしく変わる。しかし徐々にボールが繋がり出した藤枝順心は14分、ショートパスを繋いでゴール前に躍り出たMF27葛西唯衣がGKと1対1の局面を作るが、GK1田尻結菜のブロックに遭い先制ゴールを奪うことができない。その後も両サイドを崩しながらFW12藤原凛音、FW32宮路花菜の推進力を活かして相手ゴールをめざすが、常葉橘もDFラインをしっかりと保ちながら球際でDF20神谷心菜らが力強さをみせ、奪ってからは鋭いカウンターで反撃、試合は硬直したまま時を刻み終盤へ突入。

 すると終了間際の70分、右サイドからのCKを「入ったらいいな」と思いを込めてMF14植本愛実が蹴ったボールがファーサイドのネットを揺らしゴールをこじ開けると、これが決勝点となり、藤枝順心が苦しんだ70分のゲームに終止符を打った。

 試合後、藤枝順心・中村翔監督は、「去年、(のチームが)インターハイ、選手権と優勝したということもあって、精神的に緊張した様子が感じられた。(その中でも)最後まで集中を切らさずにやることができたので接戦をものにすることができまました。前半で最初2点くらい取ろうと話はしていましたが、相手も橘ということもあってそんなに簡単にはいかなかった。もう少しサイドチェンジを使って、低い速いボールを入れたかった」と予想以上に難しい試合となったことを口にした。また決勝点にシーンについては「選手たちが試合の流れの中でうまく判断してあの形を作った。それが最後によく実ったと思います」と選手たちが試合の中で成長を見せたことを喜んだ。また決勝点を決めたキャプテンの植本は「ホッとしました。苦しい時間が多かったですが、最後コーナーが大事と思っていて、それを決め切れることができて良かったです」と笑顔を見せた。

 劇的な勝利で静岡チャンピオンとなり全国大会への2枠を争う東海大会へ進出を決めた藤枝順心。「今日の20人だけでなく、まだまだ面白い選手たちがいますので、気を抜かずに、2週間ぐらいですがしっかりと準備していきたいです」(中村監督)と締め括った。

(文・写真=西山和広)

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