「カナダでもクリアしたい」角田裕毅、モナコに続く初ポイント獲得に意気込み! 地元放送局は「素晴らしいシーズンを継続できるか」と興味

F1第9戦のカナダ・グランプリが今週末にモントリオールの「ジル・ヴィルヌーブ・サーキット」で開催される。今季ここまで好調を維持しているビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、過去に入賞経験のないこの北米でのレースに向けて意気込み等を語った。

第6戦マイアミGPから3戦連続(スプリントを含めたら4レース連続)でポイント圏内フィニッシュを飾り、その評価を大きく高めている彼は、チームの公式サイト等を通して、「まず、カナダに行くことを楽しみにしています。なぜなら、僕はモントリオールという街自体が大好きだからです。レースの前に数日間、友人と一緒にここで過ごす予定です」と開催地への好印象を明かし、続けてここでのレースウィークエンドに言及している。

「好きなコースですが、まだここでポイントを獲得したことがないので、間違いなくそれが今週末の最大の目標になります。2週間前にはモナコで初めてポイントを獲得できたので、カナダでもそれをクリアしたいと思います。チームは今、とても良い状態であり、上手く機能しているので、自分たちの仕事に集中し、土曜日(予選)のQ3進出と日曜日(決勝)により多くのポイントを獲得するために、全力を尽くす必要があります」

過去2度、このノートルダム島の公園内周回道路を利用したコースを走行した角田だが、2022年は11番手まで順位を上げたところでピットロードの出口で直進してウォールに突っ込むというミスを犯してリタイアを喫し、昨季は予選で他者を妨害したとして3グリッド降格性分を受け、19番手からスタートして懸命に挽回を図るも、14位でレースを終えるなど、ネガティブな印象の方が強く残っているため、現在の勢いでこれを払拭したいところである。

RBのレーシングディレクター、アラン・パーメインは「このサーキットは、低速コーナーと縁石では柔軟性が、一方で素早い方向転換のためには硬く鋭い挙動も求められるため、セットアップには多少の妥協が必要となる。また長い直線があるため、最近のレースよりも空気抵抗を減らさなければならない」と、最適の車の状態を見つけるのが簡単ではないことを指摘した上で、「『VCARB 01』がポイント獲得を続けられることを楽しみにしている」と期待を寄せた。
カナダのスポーツ専門チャンネル『RDS』は、「今季のF1には上位5チーム以外にも、注目すべき興味深いストーリーが幾つも存在する。その中のひとつとして、角田が素晴らしいシーズンのスタートを継続できるだろうか?」と、24歳の日本人ドライバーの快進撃に興味を示している。
一方、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、チームメイトのダニエル・リカルドがレッドブル時代の2014年にカナダでF1初優勝を飾ったことに言及し、「リカルドには良い思い出があるが、角田はそれほどでもない」「RBドライバーはモントリオールで輝き、初ポイントを獲得することを望んでいる」と報じた。

6月4日にレッドブルがセルジオ・ペレスとの契約延長を発表したことで、角田の去就への影響を各国メディアが指摘しており、英国のモータースポーツ専門サイト『MOTORSPORT WEEK』は「ペレス契約延長を受けての勝者と敗者」と題した記事で、「角田は今や素晴らしいドライバーで、経験豊富なチームメイトに実力を見せつけているが、レッドブルの首脳陣は彼に疑念を持ち続けている。角田は周囲からの評価が高く、大きな注目を集めているうちに、別のチャンスを掴もうとしているのかもしれない」と綴っている。

いずれにせよ、今後、彼がより良い条件での選択肢を多く得るには、現在の優れたパフォーマンスを維持することが重要だろう。ここまで結果を出せていないカナダでも大きなインパクトを残せるか、要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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