「相対的にペレスよりも優れている」角田裕毅と現レッドブルドライバーを蘭メディアが比較!「かたや同僚を圧倒し、かたや大きく劣っている」

今季、8戦中5戦で入賞を飾り、すでに昨季の獲得ポイント(17点)を上回る19点でドライバーランキング10位につけているビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅に対して、各方面からの賛辞が止むことはない。

結果だけでなく、そのレースパフォーマンスも高い評価を受けており、4月に日本グランプリでニコ・ヒュルケンベルク(ハース)を追い抜いた場面により「月間オーバーテイク賞」を受賞した彼は、5月もイモラでのレースでローガン・サージェント(ウィリアムズ)を見事にかわしたことで、シャルル・ルクレール(フェラーリ)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、エステバン・オコン(アルピーヌ)、ヴァルテリ・ボッタス(ザウバー)とともにノミネートされている(投票は6月3日まで)。

そんな好調の24歳に対しては、その去就にも注目が集まっているが、彼がF1デビュー時から最大の目標としている、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてのレッドブル昇格は、この姉妹チームの首脳(とりわけドライバー起用の決定戦を持つというクリスチャン・ホーナー代表)から十分な評価を受けていないという理由で、実現は難しいといわれている状況だ。

来季のレッドブルのシート状況は、セルジオ・ペレスの契約延長が目前と報じられており、こうしたことから角田がF3時代から長く在籍したグループを離脱する可能性も示唆されているが、オランダのF1専門サイト『F1MAXIMAAL.NL』は、角田とペレスの今季ここまでのパフォーマンスを比較し、どちらがシートを獲得するのに相応しいかにまで言及した。

同メディアは、両ドライバーがここまでの予選でともに6度のQ3進出を果たしているが、角田が初戦(バーレーン)で惜しくも11番手に終わり、第5戦中国GPでは車の明らかなグリップ不足という理由でQ2突破を逃したのに対し、メキシコ人ベテランドライバーは序盤に継続して上位グリッドを手にしていたにもかかわらず、直近の2つのレースで突然失速し、イモラで11番手、モナコでは16番手に沈んだことに注目して、「これは驚くべきことだ。彼が角田よりも速い車を持っているのにだ」と綴っている。
さらに前出のF1専門サイト『F1MAXIMAAL.NL』は、ペレスが「モナコでは1周目でクラッシュ(ハースのケビン・マグヌッセンと接触)に巻き込まれていなかったとしても、ポイント圏内フィニッシュの可能性は低かった」として、彼のパフォーマンスが「弱体化」しており、「チームメイトと比べて明らかに見劣りしている」と厳しく評した。一方で角田については以下のような見解を示した。
「予選、決勝の両方で素晴らしいシーズンを過ごしている角田は、レッドブル、マクラーレン、フェラーリ勢に次ぐ7番目を最大の目標としているが、さらにフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)やルイス・ハミルトン(メルセデス)ら経験豊富な世界王者もいるため、毎回7位や8位のポジションに到達するのは難しく、その意味ではペレスよりも不安定だ」

「しかし、角田とチームメイトのダニエル・リカルドを比較すると、前者が期待以上にパフォーマンスを発揮しているか、あるいはリカルドが全盛期に比べて大きく劣っているのかが、すぐに分かる。角田が今季Q3を逃したのは2回なのに対し、リカルドのQ3は1回だ。日本人ドライバーはリカルドを圧倒し、データでも両ドライバーのクオリティーの違いが明らかに示されている」

そして、同メディアは結論として、「角田は相対的にペレスよりも優れている。(車の性能に差がある状態で)Q3進出回数は同じで、かたやチームメイトに大差をつけ、かたや大きく劣っている。角田とペレスのパフォーマンスは、ヘルムート・マルコ顧問に重大な疑問を提起する。2025年、ペレスは依然としてレッドブルに必要なポイントを提供できるドライバーなのか、それとも数年間の着実な成長の後、角田にチャンスを与える時が来たのか?」と記事を締めている。

構成●THE DIGEST編集部

© 日本スポーツ企画出版社