期待の18歳アマ中村心は山下、岩井(姉)と感激の同組 「勉強して、日本女子アマに出ます」

期待の18歳アマ・中村心 来週の大一番に向けて弾みをつけたい(撮影:福田文平)

<宮里藍 サントリーレディス 事前情報◇5日◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇ 6545ヤード・パー72>

1990年の第1回から次代を担うアマチュアに広く門戸を開いている大会に、今年も国内外から14人のアマチュアが出場する。日本選手は7人で、いずれも期待の若手だが、予選ラウンドで2年連続年間女王の山下美夢有と昨季メルセデス・ランキング3位の岩井明愛と同組となったのが、日本ゴルフ協会(JGA)ナショナルチームのメンバーでもある18歳の中村心だ。

4日に予選ラウンドの組み合わせが決まったときの感想は「びっくりしました」。通信制のECC学園高3年時の昨年は、最終日に4打差を逆転して「日本ジュニア」を制し、「日本女子オープン」は14位でローアマを獲得。今春、通信制の人間総合科学大に進んだ18歳は「緊張すると思うけど、すごく勉強になると思う。予選通過を目標に頑張りたい」と目を輝かせた。

3歳年上で現在はティーチングプロを目指している姉・優海(ゆうみ)さんの影響で5歳からゴルフを始めた。クセのないしなやかなスイングは右利きだが、お箸とペンを持つのは左手。元々は右利きで、母・佳世さんの「右脳を鍛えるために」という考えで左利きにしたという。右脳は直感やクリエイティブな発想を司るといわれるが、その効果について中村は「よく分かりません」とケラケラと笑い、発案者の母も「どうなんでしょうね」と苦笑した。それでも「握力は右も左も同じになりました。これっていいことかも」と中村はまた笑った。

昨年の日本女子オープン以来のツアー出場となった5月の「RKB✕三井松島レディス」は20位から出た第2ラウンドに「77」を叩いて、カットラインに2打及ばず予選落ち。今季2試合目のツアーに懸ける気持ちは並々ならぬものがある。

「来週は日本女子アマ。勢いをつけるようなゴルフがしたいです」。11日から我孫子GC(千葉県)で開催される今年の女子アマ日本一決定戦に向けて、一つでも多くのものをトッププロから学び、吸収するつもりだ。昨年の最終プロテストは「焦ってしまった」と本来の力を発揮することができないまま合格ラインに7打も届かなかった。大会アンバサダーを務める宮里藍と感激の初対面も果たした今大会は、2度目の挑戦で合格を目指す11月の最終プロテストにつながる大事な4日間ともなる。「全米女子オープン」で3年ぶり2度目の優勝を果たした笹生優花もアマ時代に5度出場したサントリーレディス。次代のエース候補も、ここから未来に羽ばたいていく。(文・臼杵孝志)

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