石丸幹二、ミュージカル『ラグタイム』が菊田一夫演劇大賞受賞 「NYで観たときの夢が叶った」と感無量

授賞式に登壇した石丸幹二【写真:ENCOUNT編集部】

賞金100万円に安蘭けい「どうやってみんなで分けようか」

第49回菊田一夫演劇賞授賞式が6日、都内で開催され、ミュージカル『ラグタイム』が菊田一夫演劇大賞を受賞。メインキャストを務めた俳優の石丸幹二が、井上芳雄、安蘭けいと共に登壇し、喜びの声を寄せた。

『ラグタイム』は、20世紀初頭のニューヨークを舞台に、ユダヤ人、白人、黒人のルーツを持つ3つの家族が、固い絆で結ばれ、差別や偏見に満ちあふれた世界を変えていこうと奔走する物語。

娘の未来のためにラトビアから移民としてアメリカにやってきたユダヤ人・ターテ役の石丸は「人種の問題をどう乗り越えるか、難解な音楽をどう歌い切るかという課題が山積みだったんです」とチャレンジする前の心境を述べると、「みなさんのいろいろな知恵やアイデア、解釈を加えながら稽古場で練って作り上げたものが、こうして大賞をいただけてうれしいです」と笑顔を見せる。

さらに石丸は「この舞台をニューヨークで観たとき音楽の素晴らしさに笑劇を受けて、いつか日本でできたらいいなと淡い期待を持っていたんです。時を経て、こうして素晴らしいメンバーの皆さんで夢がかなったことがうれしいです」と語っていた。

新しい音楽“ラグタイム”を奏で、新時代の到来を願う黒人ピアニストであるコールハウス・ウォーカー・Jr.役の井上は「黒人の役を初めて演じました。人種の表現もこれまでにない道を探そうと試行錯誤しました」と苦労したことを明かす。

正義感にあふれ人種の偏見を持たない、裕福な白人家庭の母親マザー役の安蘭は「改めて新しい作品に出会ったんだなと実感しています。演出家、演者、スタッフみんなと作り上げたからこそ、素晴らしいものができたと思います。とても大きな賞、そして大きな賞金(100万円)をいただき、これからどうやってみんなで分けようか、それがこれからの課題です」と発言して会場を笑わせていた。

<第49回菊田一夫演劇賞>
■菊田一夫演劇大賞
・『ラグタイム』上演関係者一同(『ラグタイム』の高い舞台成果に対して)

■菊田一夫演劇賞
・柿澤勇人(『スクールオブロック』のデューイ・フィン役、『オデッサ』の青年役の演技に対して)

・宮澤エマ(『ラビット・ホール』のベッカ役、『オデッサ』の警部役の演技に対して)

・三浦宏規(『のだめカンタービレ』の千秋真一役、『赤と黒』のジュリアン・ソレル役、『千と千尋の神隠し』のハク役の演技に対して)

・ウォーリー木下(『チャーリーとチョコレート工場』『町田くんの世界』の演出の成果に対して)

■菊田一夫演劇賞特別賞
・前田美波里(永年のミュージカルの舞台における功績に対して)ENCOUNT編集部

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