港北消防署 勇気ある行動に感謝状 救命処置で命救う 横浜市港北区

賞状を持つ古瀬さんと長谷部署長

港北消防署は5月30日、適切な救命処置を行ったとして川崎市在住の古瀬美穂さん(49)に感謝状を贈呈した。

港北区内のスポーツ施設で3月24日、アイスホッケーの練習試合をしていた50代男性が倒れ、心肺停止状態になった。その場に居合わせた古瀬さんが心肺蘇生法とAEDを用いた電気ショック1回を行い、救急隊に引き継いだ。救急車の到着は通報から約10分後。男性は病院到着後に意識を回復し、現在は社会復帰している。

夫が試合の助っ人で呼ばれ、練習試合を観戦していた古瀬さん。看護師として救命救急センターに勤務し、AEDの扱いにも慣れているという。「管理職に就いて現場からは離れていたが、焦らず対応できた」と振り返った。現場には30人ほどが集まり、古瀬さんが応急処置を始めると「何も言わなくても、AEDを持ってきたり救急車を呼んだりしてくれた。救急隊員を案内してくれた人もいた」という。古瀬さんは「私だけでなくみなさんの成果。助かってよかった」と笑顔を見せた。

救命処置の普及促進を

心肺停止状態になると、後遺症が残るなど社会復帰率は高くない。しかし、令和5年版消防白書(消防庁)によると、一般市民の応急処置によって、1カ月後の生存率は約2倍、社会復帰率は約2・7倍になる。同署の長谷部宏光署長は「男性の社会復帰は迅速で適切な処置のおかげ」と古瀬さんの行動に感謝を述べ、「より多くの市民が勇気ある行動をとれるよう、今後も救命処置の普及・啓発に努める」と話していた。

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