中村アン、“好奇心”が芝居の原動力に 自身のストイックな性格は高校時代から?

7月期のオシドラサタデー『青島くんはいじわる』(テレビ朝日系)で渡辺翔太と共にW主演を務めることも発表された中村アン。クライマックスに向けて大きな盛り上がりを見せている現在放送中の主演ドラマ『約束 ~16年目の真実~』(読売テレビ・日本テレビ系)では、主人公の刑事・桐生葵役を演じている。そんな中村に、『約束 ~16年目の真実~』の裏話や自身の過去、そしてターニングポイントとなった出来事について語ってもらった。

ーー『約束 ~16年目の真実~』は、2018年4月期に放送された『ラブリラン』(読売テレビ・日本テレビ系)以来、6年ぶりの連続ドラマ主演作となります。

中村アン(以下、中村):『約束 ~16年目の真実~』は『ラブリラン』と同じ枠での放送なので、感慨深さもあります。私自身もキャリアを重ねて、ある程度お芝居に関する知識も増えましたが、作品ごとに全く違うものなので、いつも何が起こるかわからないところがあって。今回もそうですが、キャストのみなさんもスタッフのみなさんも温かい方ばかりですし、向かう先が同じなので、楽しみながらやらせていただいています。

ーー初主演ドラマから6年、“座長”として成長したなと感じることはありましたか?

中村:日々必死にやっていくので精一杯なので、主演ということはあまり意識していなくて。自分的にはあまり張り切ってしまうとよくないなと思うので、とにかく毎日一生懸命頑張ってやっていくことに集中しています。その姿を見ていただくことによって、少しでも現場を引っ張っていけていたらいいなと。

ーーバディ役の横山裕さんの存在も大きそうですね。

中村:横山さんがいろいろと空気を読んで、大変な中でも現場を和ませてくださるんです。私自身もすごく話しやすいですし、本当に助かっています。キャリアも年齢も上ですけど、すごく対等に話してくださるんですよね。でもすごく不思議な人で……(笑)。いい意味で緊張せずに話せますし、なんとなく昔からの“旧友”という雰囲気があります。

ーードラマでの役柄と本人のギャップがすごいですよね。

中村:そうなんですよ。横山さんはお芝居のとき、ガラッと雰囲気が変わるんです。そのギャップもいいなと思いますし、役のことをいろいろ考えて準備されているので、ものすごく感心します。

ーー中村さんはここ最近、クールな役だったりダークな役を演じる機会が多いような印象があります。

中村:確かにそうですね。自分の中では、“中村アン=明るい”というような世の中のイメージとは違うことができたらいいなという思いが心の底にずっとあったので、そういう役をオファーしていただけるようになったのは素直に嬉しいです。演じる上でも、葵のように過去に何かを抱えていたり、バックボーンがあるような一本筋が通った役はすごくやりがいを感じます。

ーー葵のように何かを抱えた役を演じるとき、私生活に影響が出たりはしませんか?

中村:プライベートでも顔つきがキリッとなったり、自分自身も考える時間が増えたりすることはありますね。あとは服装がわかりやすいかもしれません。葵みたいな役を演じているときは、あまり明るい色の服を着たくなくなったりします。ずっと黒でいいなって(笑)。

ーードラマでは葵の高校時代に彼女の人生が狂う事件が起こりますが、中村さんご自身はどういう高校生でしたか?

中村:全国で優勝するような高校でチアリーディングをやっていたので、もうほんとに“部活少女”という感じでした。全国1位を常に目指してやっているチームだったので、いま思うと、自分自身のストイックな性格はそこから始まったのかなと。高校時代とにかくチアリーディングに明け暮れていました。

ーーいまから“16年前”、20歳の頃はどうですか?

中村:スポーツ推薦で大学に行ったので、チアリーディングをやりながら遊んだりしつつ、一番楽しくなり始めたぐらいですね。成人式でひとつ大人になるみたいな。いまでもまだふわふわしていますけど(笑)。

ーーその後、大学卒業後から芸能活動を開始され現在に至りますが、今までの経歴の中でターニングポイントとなった出来事は?

中村:25歳でバラエティに挑戦してみなさんに知っていただいて、初主演ドラマの『ラブリラン』が30歳ぐらいのときで。最初はお芝居のことが全くわからなかったんですけど、少しずつ演じるということを学んで、いろんなことを教えてもらったので、『ラブリラン』はひとつターニングポイントだったと思います。去年は舞台もやらせていただいて。なので、5年くらいの周期で、なんとなく自分の向かう先を照らされている感じがします。

ーー高校時代には想像していなかったような未来かと思います。

中村:全然想像していなかったですね。家族が一番ビックリしていると思います。うちは結構保守的な家なので、福利厚生があるちゃんとした会社に入ってほしかったみたいで(笑)。ただ、私はチャンスがあるならやってみようという好奇心があるので、ここまでやってこれました。お芝居はすればするほどわからなくなるし、楽しくもなるんですよね。そういう不思議な魅力がお芝居にはあると思います。

(取材・文=宮川翔)

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