新垣比菜、渋野日向子が… “黄金世代”奮闘に大里桃子「私も負けないように」

劇的な予選通過で流れを変えた(撮影/松本朝子)

◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン 初日(6日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6526yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆4074人)

根本が見えないピンまで62yd、58度のウェッジショットは手応えがあった。前半4番(パー5)。大里桃子は「入ったのは、ギャラリーさんの反応でわかりました」とショットイン・イーグルを笑顔で振り返る。

スタート1番、5番、6番では5~6mの“入れたいチャンス”を決めて、7アンダーの「65」。前週「ヨネックスレディス」2日目に続く今季2度目のノーボギーラウンドに「調子は上向きだと思います」と満足そうだ。

2018年「CATレディス」でツアー初優勝を挙げてプロ1年目で奪取したシードを、昨季メルセデスランキング86位で手放した。20-21年シーズンに70%を超えたパーオン率が65.79%(60位)に落ち込むなど、ショットが不調だった。「それでも、どうにか打たなきゃ」と無理をして腰、腕などいろんな部位を傷めた。「オフは勉強しました。今まで我流でやってきたのを、トレーナーさんと話し合って、どうすれば体を傷めないスイングができるのか」。基本に立ち返って、ゴルフを作り直した。

今季は4月下旬の「パナソニックオープン」まで出場9戦で予選落ち5回と低迷したが、5月「サロンパスカップ」第2ラウンドの最終ホールで、5mのバーディパットを決めて予選通過。“潮目”を変えた。「ああ、こんな感じだった」と自信が蘇り、そこから5戦連続で決勝ラウンドに進んでいる。

新垣比菜、渋野日向子が刺激をくれた(撮影/松本朝子)

前週はハートに火がついた。「小学校から一緒にゴルフをやってきましたから」。同じ1998年度生まれで“黄金世代”の新垣比菜が「ヨネックスレディス」で6年ぶりの復活優勝。大雨の最終18番グリーンで待ち受けて、ハグをした。新垣の兄でキャディの我如古夢蔵(がねこ・むさし)さんが男泣きする姿にもらい泣きした。「全米女子オープン」でも同学年で仲の良い渋野日向子が2位フィニッシュを決めた。

「黄金世代が頑張っている。私も負けないように」。シード落ちから復活へ。体も心も整ってきた。(神戸市北区/加藤裕一)

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