台風で土砂流出の「石門巡りコース」復旧 群馬・妙義山、4年ぶり開通

土砂を囲う柵と注意看板が設けられた第4石門付近(群馬県提供)

 昨年8月の台風7号による土砂流出で通行止めになっていた妙義山の石門巡りコース(群馬県下仁田町)が復旧し、7日に全線が開通する。日本三大奇勝に数えられる険しい岩山を間近に感じられる人気の登山道。2020年にも落石で一部が通行止めになるなどしたため全線開通は約4年ぶりとなり、地元は観光振興に向けて期待を寄せている。

 通行止めになっていたのは、石門群入り口から大砲岩入り口までの区間。このうち見晴らし台手前までは4月に通行可能となり、残りの第4石門広場から先が開通する。強度不足を補う工事が完了した第2見晴らし近くの「鋼製階段」も併せて通行止めを解除し、全線が通れるようになる。

 土砂流出は第4石門付近で発生。県立妙義公園内に位置し、県が復旧工事を進めていた。地形などから土砂を取り除くのは難しいと判断し、立ち入りを防ぐ柵と速やかな通行を促す看板を立てた。

 県自然環境課は「岩肌が露出した妙義山は落石や土砂流出の危険が常にある。ヘルメットの着用呼びかけや危険箇所の周知を進めていきたい」とした。

 下仁田町観光協会は「石門巡りは妙義登山の中でも人気が高い。四季折々の自然も魅力で多くの人に楽しんでほしい」と期待した。

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