オノフ フェアウェイ アームズ AKAを筒康博が試打「やさしい強弾道 バズる可能性あり」

全芯ヘッドのチタンFW ご意見番クラブフィッターの評価は!?

ステンレス素材が主流のフェアウェイウッド(以下FW)の中で、コスト度外視でチタン製を採用しているオノフのFWシリーズ。新作「オノフ フェアウェイ アームズ AKA」はチタンボディを継承しながら、フェースのどこに当たっても真っすぐ飛ばせる“全芯主義”を掲げるやさしいヘッドとなっている。そんな全芯チタンFWを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?

「ハマる人にはどハマリする 1Wと同じイメージはちょっぴり危険」

つかまり切らなかったのか弾道はやや低めに(打ち出し角:平均8.5度)

―率直な印象は?
「最新モデルの中ではかなり高音で、手応えがハードなわけではないのに、弾きの強いフィーリングを得られます。異質といっても、違和感を覚えてマイナスにとらえる人ばかりではなく、この高い打音が好きというゴルファーも少なくない。マット仕上げのクラウンデザインも格好よく所有感が湧き、安心感を抱ける適度な投影面積も魅力です。好みは分かれると思いますが、好きな人には手放せなくなるモデルになりそうです」

引き締まった印象を与えるマット仕上げ

―同シリーズドライバー『オノフ ドライバー AKA』との印象の違いは?
「ドライバーの流れで今作を打つと、だいぶイメージが異なるかもしれません。これまでの『AKA』対象ゴルファーからすると、少し弾道は低めでライナー系なところに驚くでしょう。もう少し楽にポーンとボールが上がってキャリーで運べるほうが、ドライバーに近い印象。ヘッドのデザインや見た目からして『KURO』に近く、打音は弾き感強めですが、打った感触はグシュッと潰していく球持ち感があり、少しアスリート向けに感じる人は多い気がします」

左が2024、右が前作22年モデル。フェース中央の2本線は排除に

―前作2022年モデルと比べると?
「打音はやや低めの前作のほうが好みですが、構えたときの安心感は今作のほうが好きです。長年続くシリーズだけにドライバーだけ先に買い替え、FWは前作を引き続き使いながら様子を見る人も多いでしょう。ドライバーはスライドウエートも増え、調整の幅が広がった半面、FWには機能がひとつも付いていない点も気になります。前作のシリーズより、統一感をあえてあまり持たせなかったのかもしれません」

重さ:54g、トルク:4.5、長さ:42.5インチ、バランスD0、キックポイント:先中調子(※3W/硬さSの場合)

―他社のFWと比べると?
「最近では、ドライバーの高慣性モーメント化がFWにも波及し、同じロフト角でもサイズが大きくなったことで弾道の高さが得やすくなっています。その流れに反して、今作はボールの上がり方は抑えめで、低めで強弾道を生み出す『KURO』を使っている人が買い替えを考えてもよいほど。装着シャフト(SMOOTH KICK MP-524F)は若干軽めですが、ドライバーと同じ硬さ(フレックス)でもしっかりしている印象です。同社のカスタムブランド『ロッディオ』が、以前FWとユーティリティですごく売れていた例もあるので、今回もFW単体としての魅力に触れてもよいのかも。他社と比べても、FWだけバズる(注目される)可能性を秘めています」

たわみを復元するパワートレンチ(溝)で高初速エリアを拡大

―他社でいうと類似モデルは?
「ヤマハ『RMX VD FW』『インプレス ドライブスター FW』、テーラーメイド『ステルス グローレ FW』、タイトリスト『TSR1 フェアウェイ メタル』がライバルになりそうです。チタンボディという共通点でテーラーメイド『Qi10 ツアー FW』が挙げられそうですが、そことは異なるイメージ。チタンかどうかはあまり類似ポイントには置かず、サイズがやや大きめでオーソドックスな顔立ち、軽快に飛ばしていくというより少し球質は強めでしっかり飛ばしていけるのかを比較するべき。そんなやさしさと強さを両立したモデルが競合といえそうです」

「次回作は調整機能(ソールウエート)が付いてくる気がする」(筒)

―どのような人向き?
「FWに苦手意識を持っている人よりは、芝の上からでも難なくボールを拾っていける自信のある人向き。ボール初速もスピン量も最適に出せる自信がある人に使ってもらいたいです。また、遠くまで響く高音が好き、適度なサイズ感が好みの人にも検討していただきたい。現状では、他社のドライバーを使っていても、対象ターゲットになり得るFWだと思います」

高性能で操作性◎ あとは好みの問題【総合評価4.4点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】5.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:15度(3W)
・使用シャフト:SMOOTH KICK MP-524F(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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