日本の大動脈を滞らせまい…東名高速道路で県内初の画期的な工法導入 ネクスコ中日本が工事を公開 =静岡

東名高速道路の掛川インターと袋井インターの間では、いま、大規模なリニューアル工事が行われています。車線を減らさずに古くなった橋の床の部分を取り替える最新の技術を使った工事現場が6月6日、公開されました。

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6日に公開されたのは、袋井市にかかる東名高速道路の菅ヶ谷高架橋です。

老朽化に伴い、約270mの区間で「床版」と呼ばれる橋の床の部分を取り替える工事が行われています。2022年4月に始まった工事では、静岡県内で初めて画期的な工法が採用されました。

<掛川支局 伊豆川洋輔記者>
「県内初の工法は、工事現場の両脇に車を通行させることで、通常の車線数と変わらず工事を進めることができます。そのため、混雑は緩和され、いまも流れはスムーズです」

通常の工事では広いスペースが必要で、片側2車線の道路を1車線に減らすなどの規制が避けられませんでした。今回の工事はコンパクトなスペースが作業ができ、車線の数を減らさず渋滞を回避することができました。

橋にはコンクリート製の床が使われていますが、この床を半分ずつに分けて取り替えることで、クレーンなどの機材もコンパクトになりました。

<ネクスコ中日本静岡保全・サービスセンター 谷野知伸所長>
「(工事エリアは)7mぐらいになりますけども、非常に狭い中での施工となります」

ネクスコ中日本によると、この区間を通る車は1日に3万3000台以上。車線を減らしてしまうと、上下線とも最大で5kmの渋滞が発生する想定でした。

<ネクスコ中日本静岡保全・サービスセンター 谷野知伸所長>
「設計や、どれぐらいの交通への影響があるのかを十分に検証したうえで、対応できると判断に至った。(工事にかかる)時間は長くなるものの、一方で渋滞の発生が起こりにくくなりますので、お客様への影響は最小限に抑えられます」

日本の大動脈を滞らせずに工事を行う。静岡県内初の工事は2025年夏ごろに終わる予定です。

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