相手にしたら彼以上に厄介な選手はいない。ミャンマー戦で改めて“恐ろしさ”を示した日本代表戦士が…【コラム】

2024年6月6日、北中米ワールドカップのアジア2次予選でミャンマー代表との対戦に臨んだ日本代表は、3-4-2-1システムを採用。5バックを敷く相手に、立ち上がりからボールを握る展開となった。

ボールを支配できた一因は、守田英正の存在にあった。中盤の底から巧みにパスを回すだけでなく、守備時には抜群の危機察知力でボールを奪うなかで、とりわけ素晴らしかったのが敵の攻撃を摘むアクションだ。敵陣であえてファウルをして一旦プレーを止めるなど、インテリジェンス溢れる振る舞いでチームに安定感をもたらした働きは見逃せなかった。

ともに2ゴールの中村敬斗と小川航基、チャンスメイクが光った鎌田大地、鋭い嗅覚で追加点を挙げた堂安律など得点に絡んだ選手に目を奪われがちだが、いぶし銀の活躍でチームを引き締めていたのは守田だろう。

“サッカーをよく知っている”守田のような選手がいると、味方は楽である。ここぞというタイミングの寄せで相手の攻撃を遅らせたり、マイボール時に敵が来なければその場で静止して急がず、慌てずゲームを進める。攻撃面で決定的な仕事をしたわけではないが、ミャンマー戦のマン・オブ・ザ・マッチには守田を推したい。

日本と力量差がかなりあったミャンマーとの試合(結果は5-0)なら良いところが目立って当然。そこまで守田を褒めなくてもいいとの見方もあるだろうが、個人的には改めて彼の恐ろしさを認識できた試合だったと考えている。

相手にしたら彼以上に厄介な選手はいない。そうした恐ろしさを示したのが、ミャンマー戦の守田だった。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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