氷見発の酒粕シロップ 7日、CFサイト出品 被災の髙澤酒造場が協力、開発

マクアケへ出品される「サケカス シロップ」=氷見市内

  ●「修理、復興の応援を」 

 能登半島地震で大きな被害を受けた氷見市唯一の酒蔵、髙澤酒造場(北大町)から出た酒粕(さけかす)を材料に開発したシロップが7日からクラウドファンディング(CF)サイト「Makuake(マクアケ)」に出品される。酒粕シロップの購買応援の資金は被災した酒蔵の修理代などに使われる。関係者は氷見発の酒粕シロップを購入してもらい復興につなげる。

 出品されるのは「SAKEKASU syrup(サケカス シロップ)」。髙澤酒造場の純米吟醸酒の醸造過程で大量に発生する酒粕のアルコール分を抜き、まろやかな酸味が特徴の熊本県天草地域産のレモンと、国産の甜菜(てんさい)糖を加え、無添加ですっきりとした口当たりとコクのある味わいのシロップに仕上げた。

 地域で埋もれた素材やコンテンツを掘り起こして地域の振興につなげようと、飲食店経営の「Human Being(ヒューマンビーイング、富山市)の布村充司代表らグループが髙澤酒造店の協力を得て開発した。スペイン語で「心を豊かにする」という「rico de corazon(リコ・デ・コラソン」と銘打ったプロジェクトとして取り組んだ。

 酒やドリンク、料理、デザートなどさまざまなメニューで楽しめ、昨年6月の開発から、首都圏の飲食店を中心に北海道から九州まで100店で業務用として人気を集めている。

 当初は年末に一般発売を想定していたが、被災した氷見市の深刻な液状化被害や、震災から立ち上がって前へ向いて奮闘する仲間の姿を見た布村代表らグループが少しでも地域に貢献しようと、急きょ発売時期を前倒し、その前にマクアケに出品することにした。

 マクアケには返礼商品として「サケカス シロップ」2個セット(4500円)や3個セット(6千円)など8種類を用意した。応援資金はプロジェクトの仲間である髙澤酒造場の貯蔵蔵の修理費をはじめ、被災した民宿いけもり(指崎)や割烹しげはま(丸の内)の修理費への支援や、氷見市への震災復興支援費として寄付を予定する。

 ヒューマンビーイングの布村代表は「ぜひ応援購入をいただき、復興へのお力添えをいただきたい」と支援を求めている。

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