大谷翔平も思わず「重っ!」〝偉人〟クレメンテの重量級バットを贈呈 試合で使う可能性は…

大谷翔平(ロイター)

ドジャースの大谷翔平投手(29)は6日(日本時間7日)のパイレーツ戦に「2番・指名打者」で出場。試合前のクラブハウスで、かのロベルト・クレメンテが使用していたバットと同サイズのカスタムバットをクレメンテの関係者から贈られた。

このバットはクレメンテが重いバットを好んだことから重さは36・6オンス(約1038グラム)。現代のメジャーリーガーは一般的に33オンス(約936グラム)、大谷はそれよりさらに軽い32オンス(約907グラム)のバットを好んでおり、手渡されると思わず「重っ! ビッグ、ビッグ」と声を発し、大リーグで長く語り継がれる英雄の存在をうれしそうに噛み締めた。

プエルトリコ出身のクレメンテは、大リーグにおけるヒスパニック系選手の先駆け的存在であり、1955年から72年までの18シーズンをパイレーツ一筋で活躍。通算3000安打を放った。

オフシーズンには選手としてウィンターリーグにも参加しながらプエルトリコやラテンアメリカ諸国において積極的に慈善活動を行っていたが、72年12月31日にニカラグア地震の被災者への援助物資を乗せ同乗したチャーター機が航空事故に遭い、わずか38歳の若さで亡くなった。

アメリカ野球殿堂はクレメンテの功績を讃え、通常の引退後5年を待たずに特別措置を設け73年の野球殿堂入りを可決。大リーグは、人格者で慈善活動を精力的に行う選手に毎年「ロベルト・クレメンテ賞」を贈っている。

同バットは2007年に設立し、多くの選手がピッツバーグ遠征の際に訪れているという「クレメンテ・ミュージアム」が大谷のために特注したもの。大谷はまだ同ミュージアムに行っていないそうだが、バットの配達役を務めたドジャースの実況中継を担当するスティーブン・ネルソンアナウンサーは「ショウヘイは、歴史を重んじるタイプだと思うから、クレメンテの存在に感謝し、バットもとても喜んでいたと思う。『試合で使おうかな』とジョークを言っていた。本当はもう1本、さらに重い38・2オンス(約1083グラム)で『大谷翔平』と漢字で名前が入ったバットも用意されていたのだけど、それはいずれ大谷本人がクレメンテ・ミュージアムに来る時に直接渡すものとして保管してあるんだ。彼もきっとミュージアムに行く日が来ると思うから」と語った。

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