浪江で本格フレンチ、18日開店 東京の老舗出店、県産食材PR

(写真上)浪江町にビストロ「ジョワイストロナミエ」を開店させる無藤シェフ(右)と中西オーナー、(写真下)「ジョワイストロナミエ」の店舗外観

 浪江町に18日、フランス料理のビストロ「ジョワイストロナミエ」が開店する。営業するのは東京都で創業50年を迎えたフレンチの老舗「ビストロダルブル」で、本県産のおいしい食材を伝える情報発信拠点として、同町に新店舗を構える。オーナーの中西大輔さん(49)=東京都出身=とシェフ・店長の無藤哲弥さん(50)=三重県出身=は「浪江に帰ってきた人や訪れた人が食事を楽しめる場所にしたい」と話している。

 中西さんと無藤さんは全国の食の生産者を訪ねる旅を続ける中、2021年に同町に出合った。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被害が大きい一方で、「とてもパワーのある町だ」と感じた。多様な人々と魅力的な食材などさまざまなことが生まれ始めている環境に「わくわくを感じた」。そのわくわくする思いと、震災からの復興を進める地元の生産者の思いを伝える場をつくろうと、同町への進出を決めた。

 コワーキング利用も

 店は昼と夜の営業で、昼は午前11時半から、カフェとしてカヌレなどの焼き菓子を提供。電源も備え、コワーキングスペースとしても利用できる。夜は午後5時から、地元食材を使ったコースやアラカルトをそろえる。同9時からはフレンチにこだわらず、料理やお酒を楽しめる空間にする。

 店舗名はフランス語のジョワイユ(楽しい)とビストロ(フレンチの小さなレストラン)、そして同町を掛け合わせた造語で、愛称は「ジョワナミ」。6日、開店前のパーティーが店舗で開かれ、大勢の町民らが集まり、本格的なフレンチの味に舌鼓を打った。

 住所は浪江町権現堂字新町45の1。問い合わせは同店(電話0240.23.5773)へ。

© 福島民友新聞株式会社