環境配慮、イオン「トップバリュ」に新商品 段ボール、キャベツの芯活用

環境に配慮した新商品を発表したトップバリュの土谷社長(中央)ら=千葉市美浜区

 イオン(千葉市美浜区)は31日、自社ブランド「トップバリュ」の新商品発表会を開き、段ボールをリサイクルしたトイレットペーパーや、通常は廃棄されるキャベツの芯を活用した調味料といった環境に配慮した製品をお披露目した。廃棄物削減や資源の循環に取り組みつつ、顧客にも日用品の買い物を通じ環境への意識を高めてもらいたい考え。

 同社では、食品廃棄物削減や資源の3R(リデュース・リユース・リサイクル)につながる商品の開発に取り組んでおり、2025年までに全てのトップバリュ商品を環境に配慮した商品に切り替える目標を掲げている。今年5月末時点で677アイテムが、パッケージを小型化したり、リサイクル原料を使用したりした環境配慮商品だ。

 新たに販売する「ダンボールをリサイクルしたやわらかトイレットペーパー」(8ロール税込み525円)には、段ボール古紙を50%以上使用した。同社によると、トイレットペーパーの原料として多く使われているのは印刷用紙などの再生紙だが、近年ペーパーレス化やテレワークの浸透で回収量が減少。一方、ネット通販の拡大で段ボールの消費量は増えていることに着目した。開発担当者は「段ボールからイメージできないやわらかさが特徴。ぜひ触ってみてほしい」と期待する。

 カット野菜などの製造工程で廃棄となるキャベツの芯は、甘みやうま味だけを取り出してエキス化。「回鍋肉の素」や「ゴーヤーチャンプルーの素」(各税込み95円)といった合わせ調味料にしたほか、芯自体も「餃子用きざみ野菜」(210グラム税込み84円)として販売する。エキスや素材として活用することにより、年間約5トンのごみ削減につながるという。

 このほか、意図せず捕獲してしまったり、調理が難しいなどの理由で廃棄されやすい「低利用魚」を活用した冷凍魚「黒鯛ステーキ」(2切れ税込み537円)も販売を始める。

 トップバリュの土谷美津子社長は「特に若い層はサステナブルな意識が高く、最近は環境配慮商品への注目度が昔と変わってきている。消費者とともに環境配慮の取り組みに引き続き取り組んでいきたい」と述べた。

ダンボールをリサイクルしたトイレットペーパー

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