希少な3日間大会、クセ強グリーンも… “風変りな大会”に米ツアールーキーは「珍しい」

吉田優利が米ツアーでは珍しい3日間大会に挑む(撮影:ALBA)

<ショップライトLPGAクラシック 事前情報◇6日◇シービューGCベイC(米ニュージャージー州)◇6197ヤード・パー71>

「なかなかないですよね。珍しい大会。一日多く休めたと思ってしっかり練習したいなと思います」。今季ツアー1年目の吉田優利は、米国では今大会と9月の「ウォルマートNWアーカンソー選手権」しかない“3日間大会”についての感想をこう話す。

開幕前のプロアマも水曜日、木曜日と2日間あり、出場する日本勢8人はどちらか一日に全員が出場した。4日間大会がほとんどを占める米国ツアーに慣れている選手にとっては、少し調整のリズムも変わってきそうだが、先週が難コースを相手に戦ったメジャー大会だったこともあり、この日程を歓迎する声は多い。

日本ツアーでは2023年にようやくスケジュールのうち半分(19試合)が4日間大会になったところ。それだけに西村優菜は「ひさしぶり(笑)」という感覚を覚える。ただ「タフな1週間の後なので逆にラッキー。月曜日も休めたので」と、いい時間を過ごせている。畑岡奈紗も「普段だったら木曜日からまた試合だけど、一日多く調整できるのはいいですね」と、やはり笑顔を見せる。

ただ組み合わせの面で、日本の3日間大会とは大きな違いが。日本ツアーでは、2日目から成績に応じた組み合わせになるが、米国では予選ラウンド2日間は同じ組でプレーする。

例えば、先週の「全米女子オープン」で優勝した笹生優花と、2位だった渋野日向子が同組になったが、初日は午前8時52分(日本時間午後9時52分)に10番からスタートし、2日目は午後1時47分(同9日午前2時47分)に1番から出ることがすでに決まっている。ちなみに笹生も「金曜日に始まるので、月曜日が休めたのは少し助かりました」という3日間歓迎派だ。

そして何より選手が口をそろえる特徴が、“ポコポコ”としたグリーン。ポアナ芝が敷かれているのだが、多くの選手が踏みしめるにつれ、ロープ外から見ていても分かるくらい不規則な転がり方をするようになる。吉田も「珍しいタイプのグリーン。(地面が)軟らかいのもあって、フワフワな感じがする。同じポアナでも硬いポアナではない」という“未体験グリーン”だ。

この“クセ強グリーン”と対峙するにあたり、渋野は「ポコポコとか、周りに左右されず自分のストロークに集中したい。跳ねる分、イレギュラーな外し方もあると思うけど、そこはあまり引きずらないように」と話したが、この考え方は選手に共通する部分。結果は変えられないため、とにかくそのプロセスを大事にして、納得しながらホールを進めるのが“精神衛生上”大事になってくる。

シービューGCという名前の通り、コースからは海が見渡せ、形状はフラット。一見するとリンクス風の造りになっているのも特徴だ。6197ヤードとコースは短いが、笹生は「風が吹くと、とても難しい」とも警戒する。2010年には宮里藍も優勝している。どこか“風変り”な大会で、今週も日本勢が盛り上げてくれることを期待したい。(文・間宮輝憲)

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