市バス 運転手不足で144便減 鷲ヶ峰営業所管内 、6月10日から 川崎市高津区

発着便の本数が減る事になった溝口駅南口

川崎市交通局は5月28日、高津区を含む「鷲ヶ峰営業所」の管内で運行している市バスの一部減便を発表した。運転手不足が主な理由で、6月10日から延べ144便を減らす。市は「運転手の確保に向けた取り組みを進める」としているが、地域住民からは切実な訴えも聞かれる。

減便対象は、高津区を含む北部4区を走る鷲ヶ峰営業所管内の7路線18系統。鷲ヶ峰営業所前・聖マリアンナ医科大学前と溝口駅南口間を走るバスが最も減便数が多く、現在の平日355便から322便(マイナス33便)。次いで、宮前平駅・宮前区役所前と溝口駅南口を結ぶバスが平日194便から178便(マイナス16便)となるなど、平日95便、土曜25便、休日24便の計144便が減らされる。

平日の減便は市バス全体の約2%に相当するが、乗客への影響を最小限に抑えるため通勤通学で利用する朝ラッシュの時間帯は極力避け、主に日中から夜間の時間帯での減便が実施する。

運転手不足が影響

市交通局によると、同営業所は4月時点で運転手が10人足りず、市内4営業所の中で最も不足数が多かった。4月の法改正で運転手の労働時間が規制されたことや新規採用が思うように進まなかったことが影響し、現在のダイヤを維持できないと判断した。担当者は「運転手不足が原因の減便は初めて」と話す。

一方で、減便対象エリアに暮らす人にとって、バスはなくてはならない「地域の足」だ。向丘地区連合自治会の石川閣会長は「運転手不足は全国的な課題だとは思うが、バス減便の影響は大きい。公共交通機関としてのあり方を考えてもらいたい」と訴える。

新たな時刻表は市バスのウェブサイトで閲覧可。市は運転手確保に向け、運行上の工夫を継続するほか、採用方法の見直しなどにも取り組む。

「減便のお知らせ」が貼られた停留所

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