“都会のヒーリングガーデン” 神戸・磯上公園リニューアルオープン 竹をリユース、SDGs推進

リニューアルオープンした磯上公園 ヒーリングガーテンでのテープカット<2024年6月6日午後 神戸市中央区>

神戸の玄関口・三宮の再整備事業の一環として、磯上公園(神戸市中央区八幡通)が6月6日、リニューアルオープンした。

【画像】"都会のヒーリングガーデン” 神戸・磯上公園

1955(昭和30)年に誕生した磯上公園は、中心部のフラワーロード東側にある。当初は有料グラウンドとして団体スポーツ中心に利用されていたが、2022年7月、神戸市立磯上体育館が建設され、同年9月に有料グラウンドが廃止(ポートアイランドに移設)された。そして体育館を除く約1ヘクタールを神戸市が整備していた。

阪神・淡路大震災からまもなく30年、三宮周辺の環境が大きく変化している。この日のセレモニーで久元喜造・神戸市長は、磯上公園一帯の変化について、「居住環境の向上」と「オフィスの増加」を挙げ、こうした環境のもと、「スポーツの聖地から“ヒーリングガーデン”へ生まれ変わった」と大きな期待を寄せた。

神戸市は政令指定都市で一人当たりの公園面積が最も広いとされる。しかし、実際に緑が豊かなのは六甲山より北側のエリアに多く、市街地では緑を感じにくいという側面があった。

リニューアルした磯上公園では、閉鎖した西神戸ゴルフ場(神戸市西区)から移設した芝生が広がる。ブランコなどの遊具が新たに整備され、公園東側に広がる日本庭園の技法を用いた「ヒーリングガーデン」の滝や池、多くの木々は訪れる人々を癒しの空間にいざなう。

ガーデンは、世界的に活躍するアメリカ在住の造園家・栗栖宝一(くりす・ほういち)さんが監修した。セレモニーで栗栖さんは「ヒーリングガーデンは自然と人が一体となる空間。自然と対話して癒やされてほしい」と話した。

ガーデンの遊歩道には、兵庫県立御影高校の生徒の提案で、神戸市の山間部・淡河(おうご・神戸市北区)地区で増えている竹(放置竹林)を活用した”竹チップ”を活用している。チップは長さ約2センチ。約1トン分が使われている。

竹チップの使用により、▼路面のひび割れ防止、▼路面温度の抑制(使用しない場合と比べ10度異なる)、▼景観にマッチする自然な風合いが施され、SDGsにも配慮した。

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