【岩本輝雄】3-4-2-1で機能した“森保式シャドー”。ここに久保が入っても面白そうだね

[W杯予選]日本 5-0 ミャンマー/6月6日/トゥウンナ・スタジアム

ワールドカップのアジア2次予選で、ミャンマーとシリアと対戦する6月シリーズ。まずは敵地でのミャンマー戦。日本は中村と小川が2点ずつ、堂安も1ゴールで、5-0の完勝を収めた。

昨年11月のホームでの前回対戦と同じスコア。まあ、日本が勝つべくして勝った試合という感じかな。ミャンマーも頑張ってはいたと思うけど、それでも実力的に日本のほうがワンランクもツーランクも、スリーランクも上だった。

それにしても中村は、やっぱり点を取るよね。代表9試合で8ゴール。もはや不可欠な得点源だ。その中村の先制点をアシストしたのが、久々に代表に復帰した鎌田。左サイドでスタンバイしていた中村に完璧なスルーパス。よく見えているよね。

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鎌田は3-4-2-1の布陣で堂安と2シャドーを組んだ。彼ら2人は攻撃面で効果的な働きを見せていたけど、広島時代にもこのシステムを使っていた森保監督が求めるシャドーのプレーを体現していたと思う。

サイドに開きすぎず、後ろに下がりすぎず。あまり動きすぎないで、なるべく高い位置を取って、1トップとの距離感を良くして、ゴール前で決定的な仕事に絡む。堂安の得点は、鎌田のシュートのこぼれ球を押し込む形だったけど、ゴール前にちゃんとポジションを取っていたからこそ、チャンスをモノにできたと思う。

3-4-2-1の“森保式シャドー”では鎌田や堂安以外にも、楽しみな人材が今の代表には揃っている。なかでも久保が入ったら、面白そうだよね。彼はサイドに開いても良いプレーをするけど、バイタルエリアで周囲と連動したアクションでも、その創造性や高度なスキルを存分に発揮するんじゃないかな。

1トップの人選も含めて、11日のシリア戦でも3-4-2-1を継続するとしたら、前線のトライアングルで誰を起用して、どういう効果が見られるか。そこは注目したいね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、52歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた“40メートルFK弾”は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。23年に『左利きの会』を発足。

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