【エプソムC/追い切り診断】最高評価「S」は想定8人気前後の“穴馬” 豪快な脚捌きで「さっそく結果を残す」

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第41回エプソムC(9日/GIII、東京芝1800m)には、巻き返しを狙う4歳馬のレーベンスティール、長期休養明け2戦目で重賞初Vを目指すトゥデイイズザデイ、ルアインやシャフリヤールを叔父に持つ良血アルナシームらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「グランディア」を取り上げる。

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■グランディア

【中間調整】フローラSなど重賞3勝、オークスで3着などがあるディアデラノビアが母。全兄に重賞2勝馬ドレッドノータスがいる良血馬だ。プリンシパルSで0秒2差5着など素質の高さは感じさせたがクラシック本番に進出はならず、ドレッドノータス同様に去勢で気性面の改善を図り、3歳秋以降は自己条件でジワジワと成績を伸ばしてきた。3勝クラスで勝ち切れない時期が続いたが、前走のスピカSを密集馬群のなかから鋭く抜け出し勝利。ようやく条件馬の立場に別れを告げている。

フレッシュなほうがいいタイプであり、続戦ではなく昇級初戦はひと息入れてエプソムCとすることに決定。放牧を経て5月中旬に栗東へ戻り、22日に坂路4F53秒4(馬なり)と上々の初時計を出している。1週前追いはCW追い。前走時同様、テンからある程度出していき終いもしっかり負荷を掛ける内容で、形の上では“単走”も、前を行く別組の併せ馬を外から豪快に抜き去って駆け抜けている。

【最終追い切り】レース当週は終い重点の内容。この日もCWで別厩舎の併せ馬を外から大きくマクる形で楽に抜き去り、直線では体を大きく使って外ラチ沿いを駆け抜けた。ゴールを過ぎても見せムチでもうひと気合い入れられたあたり、体調はすこぶる良さそう。

【見解】去勢を施したとはいえ、まだ気難しさは残し、器用さの面でも課題があった馬。それが前走、中山で窮屈なレース運びを強いられながら快勝したあたり進境はまさに著しい。前走は内を突いたが、外を回す形でもしっかり気持ちを乗せた走りができるよう先週、今週と外マクりの形を取り、しっかり伸びている。脚捌きそのものも豪快で、まさに良血馬が才能開花!といった雰囲気。昇級初戦のここでさっそく結果を残す可能性は十分にありそうだ。

総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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