【東京ダービー/3連単20点】中央馬優勢も“一筋縄でいかない” 1冠目は地方馬が穴演出、過去には3連単70万馬券炸裂も……

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5日、大井競馬場で“ダート3冠”の頂上決戦、第70回東京ダービー(JpnI、ダ2000m)が行われる。

昨年までは、南関東の3歳三冠路線の2冠目として行われてきた当レース。今年からダート競走の体系整備により、中央交流のJpnIとして生まれ変わった。中央馬が4頭、地方馬が12頭の16頭立てで争われる南関東の“ダービー”から、全国の“ダービー”へ新たに位置づけられた一戦。その結末を予想する。

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■紅一点のアンモシエラに大崩れなし

ダート3冠競走の1冠目羽田盃は、8頭立てと少々寂しい顔ぶれだったが、今回はフルゲートで争われ、頂上決戦にふさわしく頭数が揃った。とはいえ、わずか4頭の参戦ながら、中央馬と地方馬の実力差は大きい印象で、中央馬を中心に考えざるを得ないだろう。

そんな中、羽田盃では2着に敗れたアンモシエラが、今回はリベンジを果たす番と見る。その前走は、激しい先行争いを制してハイペースの逃げ。4コーナーでは後続を引き離し、逃げ切り体勢に持ち込んだが、アマンテビアンコの強襲に遭い、1馬身差及ばなかった。

そのライバルが出走を回避したことは好材料。未対戦となる中央のライバル・ユニコーンS組との力関係がカギを握りそうだが、こちらは大井で2戦走って好走しており、コース適性には一日の長がある。加えてナイター競馬にも対応済みと、その点はアドバンテージだ。

馬場状態も不問で、逃げなくても好位からレースが運べるし、折り合い面の難しさもなさそうで、距離延長は問題ないだろう。過去69回の東京ダービーで、牝馬の優勝はわずか3例しかないが、斤量面の恩恵を考えればむしろプラス材料。近年は500kg未満の小柄なタイプが馬券圏内に好走する確率が高く、大崩れは考えにくい。

■ユニコーンS組も勝ち負けできる存在

おそらく1番人気に支持されるのが、ユニコーンSを制したラムジェット。その前走は、ヒヤシンスSなどの勝ちっぷりから左回りのマイル戦あたりがベターな条件と考えられ、京都のダ1900mではどうか、と半信半疑に思われていたが、ふたを開けてみれば外々を回って突き抜け、最後は流す余裕を見せる完勝劇。右回り、コーナー4つのコースへの対応力も見せつけた。

デビュー3戦目に大敗したオキザリス賞を除き、すべて上がり最速の切れ味はスケール十分。あとは、京都よりもコーナーがきつくなる大井で、距離損なく外を回ってこられるか。あまり後方に位置しすぎると、多頭数でさばきにくくなるので、位置取りがカギを握ることになるだろう。

ユニコーンSで2着に敗れたサトノエピックも走破圏の1頭。当初は除外対象馬だったが、アマンテビアンコの回避により、無事に駒を進めることができた運も持ち合わせている。

前走はラムジェットに完敗の形だが、4コーナーで窮屈になるなど、スムーズに運べなかった面があり、勝ち馬と一緒に上がることができれば、また違った結果になっていた可能性は高い。ダートでは2勝2着1回と底を見せておらず、中距離戦を中心に、東京、中山、京都と、コースを問わず結果を残せているので、初の大井でも対応可能だろう。

中央勢の3頭、アンモシエラ、ラムジェット、サトノエピックのいずれかが勝つのでは、という公算大だが、3頭ですんなり決まる、とも思えない。

■地方馬のヒモ荒れに注視して馬券作戦を

羽田盃では中央勢4頭が参戦し、2番人気ブルーサンがシンガリ負け、3番人気ハビレが4着。3着には大井の8番人気フロインフォッサルが突っ込み、3連単は4万馬券。東京ダービーでも過去10年で6回、3連単10~70万円馬券が飛び出しており、ヒモ荒れを考慮した馬券作戦で行きたい。

穴候補の1頭目は、東京湾Cを制したマコトロクサノホコ。その前走は、上がり最速の末脚で後続に2馬身半差の快勝。門別から船橋に移籍後は、3勝2着1回と安定したレースぶりで、南関東勢では最上位の実力馬だ。ここで人気を落とすようなら妙味は十分。

2頭目は、高知の雄シンメデージー。地元では無傷の5連勝で、中央交流競走の足摺盃では、未勝利クラスの中央馬が相手とはいえ、後方から豪快に突き抜けるレースぶりは目を引いた。前走も園田遠征の西日本クラシックを快勝し、勇躍東上。さらなる強敵との対戦でも一泡吹かせる結果を期待したい。

そのほか、東京湾C2着のシシュフォスと、東京ダービーチャレンジ1着のイモノソーダワリデも少々。中央勢のもう1頭ハビレは、やや距離が長いとみて今回はバッサリ切る。馬券は、アンモシエラを1着、2着に固定した3連単フォーメーションで、ヒモ荒れに期待したい。

東京ダービー2024 結論・買い目

◎(7)アンモシエラ
◯(14)ラムジェット
▲(10)サトノエピック
△(2)マコトロクサノホコ
△(8)シンメデージー
△(3)シシュフォス
△(11)イモノソーダワリデ

3連単フォーメーション(20点)
1着:7
2着:14、10
3着:14、10、2、8、3、11

1着:14、10
2着:7
3着:14、10、2、8、3、11

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◆著者プロフィール

石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。

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