【エプソムC/追い切り診断】「高い能力しっかり維持」の単勝30倍超に“高評価” 稽古に変化、本番でもピリッとしてくる

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第41回エプソムC(9日/GIII、東京芝1800m)には、巻き返しを狙う4歳馬のレーベンスティール、長期休養明け2戦目で重賞初Vを目指すトゥデイイズザデイ、ルアインやシャフリヤールを叔父に持つ良血アルナシームらが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「タイムトゥヘヴン」を取り上げる。

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■タイムトゥヘヴン

前走のダービー卿CTで久々にコンビを組んだ北村友騎手の“現状はマイルより1800mぐらいが”という進言を受け、ひと息入れてエプソムCを目標とすることに。放牧からの帰厩後、5月12日に初時計を出し、以降順調に乗り込まれている。上野騎手が騎乗した(本番は北村友騎手)1週前ウッド追いは終い重点の内容で、1勝クラスが相手だったとはいえ手応え圧倒で2馬身の先着を果たした。

【最終追い切り】レース当週も上野騎手が騎乗しウッドで併せ馬。1週前追いよりも速いラップを刻んで3歳未勝利を追走し、楽に取り付いて併走に持ち込む。ラストは貫禄の違いで抜け出し、2馬身の先着を果たしている。常に稽古ではよく見せるタイプなのを差し引いても、機敏さが目立つ内容だった。

【見解】レースで最後にしっかり脚を使うし、稽古では常に迫力ある動きを見せており、繰り返しになるが高い能力はしっかり維持できている。あとは精神面や展開ひとつだろう。今回は中間に調整役を任された上野騎手の判断か、これまでの最終追いにゆったり追うスタイルではなく、速いラップを刻む内容。これが刺激になり本番でもピリッとしてくる可能性は考えておきたい。上野騎手、そして自身が進言した1800m戦で手綱を握る北村友騎手。もどかしい走りが続くこの馬をなんとかしたい……という2人の騎手の強い想いが、ここで結果に繋がるのではないか。

総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。

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