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半世紀以上前に日本に持ち込まれた欧州原産の食用カキが、岩手県沖に定着していた-。山田湾で見つかった正体不明の二枚貝が、県水産技術センター(釜石市)などの研究で「ヨーロッパヒラガキ」と判明した。1990年代に同湾で試験養殖後、消滅したと考えられていたが、人知れず生き残り7湾で確認された。記録的な不漁にあえぐ本県でセンターは新たな養殖対象種として種苗生産試験を始め、本年度はその規模を拡大する。
センター増養殖部専門研究員の寺本沙也加さん(29)と、部長の小林俊将さん(57)らが明らかにした。研究成果は5月、日本貝類学会の国際学会誌に掲載。国外から意図的に移入されたカキ類が天然海域に定着した事例としては国内初としている。