ランドセル最新トレンドは「黄色」着色技術向上で商品化に成功 一方、リュックに“買い替え”も【男女別人気ランキングあり】

来春、小学校入学を迎える子どもたちのランドセル選び、いわゆる“ラン活”。年々変化するランドセルのトレンドですが、2025年度の注目は、これまで大手メーカーの扱いが少なかった「黄色」。着色の技術向上で商品化に結びついたそう。一方、アウトドアメーカーの“リュック”も勢力を伸ばしています。来春、さらにその先のランドセル選びの参考にしてみては。

人気の「フィットちゃんランドセル」を製造販売する「ハシモト」(富山市)。多様なニーズに応えたいと、ショールームには80色・200種類以上のラインナップを取り揃えています。

ハシモトBaggage・橋本明彩代さん: 「こちら今年からの新シリーズで『フロル』というお花をモチーフにしたランドセルになっております」

新シリーズ「フロル」は、トレンドのくすみカラーを取り入れ、そのデザイン性もあいまってママたちからの支持を集めているといいます。

ハシモトBaggage・橋本明彩代さん: 「あけるとですね、非常にパッと明るくなるような、かわいらしさをギュッと中に詰め込んでおりまして。非常にママたちの支持が高いシリーズのひとつ」

こちらはあるものをイメージしてデザインされた新作です。色の並びでピンと来た人も多いかもしれません、そう、新幹線です。

ハシモトBaggage・橋本明彩代さん: 「見ると元気になるようなビビットなカラーになっております。新幹線とかだけではなくて、車ですとか、働く車ですとか、そういったものから着想を得たシリーズになっております」

日本鞄協会ランドセル工業会のアンケート調査によりますと、2023年4月に入学した子どもたちが購入したランドセルのカラーは、男の子は依然として黒が1位ですが、その割合は半数程度。

2位のネイビーと3位のブルーをあわせると3割程度に増えています

女の子はスミレやラベンダーが1位。
定番だった赤は1割程度となり、年々分散傾向が強まっています。

また、男の子でも赤やピンクを選んだり、女の子でも「カッコいい!」と黒や紺を選ぶ子たちも増えているといいます。

ジェンダーレスの時代の流れでランドセルも「多色化」が進む中、ハシモトが2024年に発売したカラーは…。

ハシモトBaggage・橋本明彩代さん: 「黄色はほとんど大手では作っていなくて、私たちが出したのが初めてぐらい。ことし満を持してやろうということで、何度も色出しをして、特にこのルミナスイエローという微妙なカラーリングを実現しました」

要望が多かったものの、生地に安定して定着させるのが難しかった「黄色」。ようやく商品化にこぎつけた2024年一番の注目カラーです。

一方、カラーやデザイン以外に重視されるのが「軽さ」と「背負いやすさ」。

こちらは、ランドセル本体の軽量化を図ったうえで、通常の2倍の“クッション”を入れるなど「軽く感じる」工夫が施されています。

ハシモトBaggage・橋本明彩代さん: 「ランドセル背負うと左右に歩くたびに重心がぶれるので、動くことを前提に、お子様が動いたり走った時にもちゃんと圧力を分散して軽く感じる」

コロナ禍を経て小中学生の荷物は、どんどん重たくなっています。富山県朝日町の教育員会が2023年に調査したところ、タブレットや水筒、副読本など小学生の荷物の重さは平均5キロ。子どもの負担軽減のために自治体も頭を悩ませています。

そんな中、子どもたちにはランドセル以外の新たな選択肢も。

富山県立山町の保育園で行われていたのは、通学用リュックサックの試着会。町では、保護者の負担を軽くしようと、昨年度から小学校の新入生すべてにリュックサックを無償配布しています。

参加した母親: 「おにいちゃんもリュックサックで行っててすごい軽くて丈夫だし、それを知っているので(下の子も)リュックにするっていう気持ちは最初からずっと持ってて、あとは色を選ぶって」

立山町では、無償配布のリュックサックでも購入したランドセルでもどちらで通学してもOKです。

このリュックサックを開発したのは、立山町に直営店をかまえる大手アウトドア用品メーカー「モンベル」です。「わんパック」と名付けられ、大容量で軽いのが特徴で、14リットルサイズで930グラムです。

モンベル・住吉伸之さん: 「ことしから3サイズに増えまして、色も1色増えております。フレキシブルに肩の部分が動いたり、小物をひっかけておけるリングですとか、アウトドア用品のバッグ類の機能がいろいろ搭載されています」

わんパックは14リットルサイズで1万5000円を切っていて、革製のランドセルと比べると価格が安く、高学年の買い替えも可能だとメーカー担当者は“ラン活”の新たな選択肢として自信をのぞかせます。

モンベル・住吉伸之さん: 「高学年になった時に、クラブ活動とかで荷物が増えた時に、大きな容量になった場合でもできるだけ値段が安いとお買い求めいただきやすいとは思います」

一方、ランドセルメーカーにも譲れないこだわりがあります。

ランドセルメーカーも軽くて大容量のリュックサック型を新たに提案しています。しかし、そこには、ランドセルメーカーとして譲れないこだわりが。

ハシモトBaggage・橋本明彩代さん: 「そもそも“かぶせ”がいらないんじゃないかって話も実はあったんです。作ってた時は短かったんです。子どもたちに見せたところ、『ランドセルじゃない』と言われてしまいまして」

ランドセルのビジュアル保つ、ギリギリのラインを追い求めました。

橋本さん: 「お子様が小学校にあがる進級のタイミングでランドセルに憧れをもってくださるというところも、こういう技術開発の中では、ただただ軽いだけではなくて、お子様の気持ちとかも考えながら」 記者:「全方位戦略ですね」 橋本さん「まあ、そうですね(笑)」

子どもたちの好みや学習環境の変化に合わせて、年々多様化しているランドセル。少子化の中、子どもや親のニーズに応えようと各メーカーが知恵を絞っています。

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