24年のプレーオフ未勝利に言及するドルフィンズHCマクダニエル、「強調することが結果につながる」

マイアミ・ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエル【AP Photo/Joshua A. Bickel】

昨シーズン、極寒の中で行われたAFCワイルドカードゲーム でカンザスシティ・チーフスに敗れた結果、ヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルとマイアミ・ドルフィンズは、フランチャイズの不名誉なポストシーズンでの連敗記録をさらに延ばしてしまった。

ドルフィンズが最後にプレーオフで勝利を収めたのは、今世紀最初のシーズンまでさかのぼる。

ドルフィンズが最後にポストシーズンで勝利を祝ったのがどれほど前のことか知らないコーチや選手のために、マクダニエルHCはその歴史を強調している。実に24年もの間、成果を上げられていないのだ。

ドルフィンズの公式記録によると、マクダニエルHCは現地6日(木)にこう語ったという。

「強調することが結果につながるんだ。それなら、すべてのことを最後までやり遂げると強調する方法を見つけるのはどうだろうか? それにこだわろう。オフシーズンの半分の期間、日中のさまざまな時間にスタッフミーティングを実施してみるのはどうだろう。すべてのミーティングを7時24分、3時24分、5時24分と、“24”にちなんだ時間に設定してみるんだ。みなさんにとっては何でもない数字かもしれない。だけど、この数字がプレーオフで勝利した最後の年からの年数を指す。プレーオフの時期が来れば、またこの話が出てくるだろう。そう思わないかい? だからこそ、選手たちには何が待ち受けているかを分かってもらうために強調するんだ。それを理解した上で、逃げずに立ち向かうのさ」

2022年シーズンを前にマイアミにやってきたマクダニエルHCは、獲得ヤードと得点を積み上げる派手なオフェンスを生み出し、ドルフィンズを2年連続でプレーオフ進出に導いた。2022年には5シーズン続いていたプレーオフ未進出の連続記録をストップ。しかし、ドルフィンズはここ2年連続でプレーオフ初戦を落としており、フランチャイズとしても過去5回のプレーオフ出場すべてで初戦敗退を喫した。こういった状況が、ポストシーズンに進出すること自体が少なく、進出しても勝ち進めていないことを浮き彫りにしている。

クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロア、ワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒル、コーナーバック(CB)ジャレン・ラムジーといったスター選手を擁する豪華なロースターを持つ今、課題は明確だろう。プレーオフに進出するだけでは不十分であり、今こそ本格的に勝ち進む時だ。

マクダニエルHCはこの現実から目を背けていない。

2024年シーズン開幕が近づく中、マクダニエルHCはチームにこの時期が何を意味するかをしっかりと伝えようとしている。それは連敗記録を断ち切るときが来たということだ。マクダニエルHCはメディアやファンからもそのことをいずれ指摘される以上、先手を打っておくに越したことはないと承知しており、次のように述べた。

「周りの評判は過去に基づいていて、将来に向けての意見を形作るものだ。だからこそ、それを直接経験することになる選手たちのために、先回りして何が起こるかを知り、それを踏まえて立ち向かうことが重要だと思う。このビジネスで“今こそプレッシャーがかかっている”なんて言うのは滑稽だ。それではまるで、目隠しをして耳栓をしてきたかのような言いっぷりだ。今こそ成果を残すか、さもなくば、だよ。過去に起こったことに関しても同じだ。この2年間、シーズンはある特定の形で終わり、チームの30%から40%くらいはその一部を経験した。残りのメンバーは経験していない。でも、そこから何を学んで、どうやって今の行動を調整して、将来のリスクを最小限に抑えるのかが重要だ。それが試合であれ、シーズンをよりいい形で終えることであれ、小さいことから始めていくつもりだ」

ドルフィンズは大事な試合で結果を出せないという“評判”を背負いながらも、2023年シーズンには11勝6敗——2008年以来の最多勝利数——を記録。しかし、結局は後に続くプレーオフで、チーフスに26対7で敗れた。この前年には、同じような寒さの中で行われた敵地での試合で、ディビジョンライバルのバッファロー・ビルズに34対31の接戦で敗れて、プレーオフ敗退を喫している。

マクダニエルHCはこの話題を持ち出すのに、寒い12月が再びやってくるまで待つつもりはない。この春から取り組んでいくのだ。

「一緒にこの課題に取り組んで、何かを成し遂げよう。この話題を持ち出すのは、そのためだ。どんなに気にするなと言っても、外からの声はどうしても耳に入ってきてしまう。雑音はいつもあるもの。だからこそ、それに向き合って、自分たちの仕事をしっかりとこなして、今意識していることを将来につなげていこう」とマクダニエルHC。

しかし、ドルフィンズがプレーオフで苦労するのは、マクダニエルHCがサウスビーチにやってくるずっと前から続いてきたことだ。

最後にプレーオフで勝利したときのドルフィンズのヘッドコーチはデイブ・ウォンステッドだったが、その後の不毛なポストシーズンの始まりを見届けたのもウォンステッドだった。

ウォンステッドが率いた2001年シーズンのドルフィンズはプレーオフ初戦で敗北している。トニー・スパラノが率いた2008年も同様だ。その後、アダム・ゲイスがヘッドコーチを務めた2016年も同じ運命をたどった。そして今、マクダニエルHCが率いた最初の2シーズンも同じ結果に終わっている。

これは長年、フランチャイズを悩ませてきた問題だが、マクダニエルHCは3年目を迎えるにあたり、その問題に正面から向き合いつつ、こう続けた。

「私が雇われたとき、最初のチームミーティングでも言ったんだ。その時点では、まだ22年だったけれどね。中途半端な成功や失敗のために人は雇われるわけじゃない。勝つために雇われるし、それは分かっている。勝たなきゃいけないってことも分かっている。その点では何も変わっていない。変なプレッシャーは感じていない。だって、この仕事自体が十分なプレッシャーだからね」

「これ以上のプレッシャーは必要ない——これ以上はない。理由があって雇われているわけで、その理由も理解している。チームの一員となって、チームをまとめあげて、これまでの22シーズン分、24シーズン分の失敗を乗り越えて成功に導く手助けをしようとしているんだ。この仕事に就くときから、何を求められているかは分かっていたさ」

【KO】

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