曇りや雨でも要注意!今すぐしないと後悔する紫外線対策を気象予報士が解説

だんだんと曇りや雨の日が多くなっていく季節、あまり紫外線の強さを感じない日もあって、紫外線対策が楽になるなぁ…なんて思っていませんか?じつは、なんとなく紫外線が弱そうな気がするような日にも、意外な落とし穴が…。

今回は、気象予報士・防災士として活躍する植松愛実さんに、今知っておきたい紫外線対策のポイントを解説してもらいます。

その空、本当に曇っている?

空の5割くらいが雲で覆われている状態。これは「晴れ」?それとも「曇り」?

曇りの日にふりそそぐ紫外線は、晴れている日の60%くらいです。60%なら半分近くに減るということなので安心できそうな感じもしますが、そもそも「曇り」って具体的にどういう状態かご存じでしょうか。

気象学で言う「曇り」は、空全体の9割以上が雲で覆われている状態。つまり、相当空が暗い状態です。「ちょっと雲が出てきたな」と感じる程度の空なら、ほとんど紫外線は減っていないことになりますから、晴れている日と同じレベルの紫外線対策をする必要があるのです。

雲をとおり抜ける紫外線がある!

曇っている日の紫外線が晴れている日の60%程度と聞いて、「曇っている日は外に出ても日焼けしないのに、60%もあるなんて不思議だなぁ」と感じた人もいるかもしれません。じつはそこに、"紫外線の種類"に関するカラクリがあります。

美容に関心が高い人などは、紫外線には「UVA」と「UVB」といった種類が存在するのを聞いたことがあるでしょうか。日焼けにおもに関係している紫外線は後者の「UVB」と呼ばれるもので、こちらは雲を透過しにくい性質があるため曇りの日にはかなり減って、結果的に曇りの日にはあまり日焼けしないのです。

ところが、「UVA」と呼ばれる紫外線は雲をとおり抜けてしまうために曇りの日でもあまり減らず、おまけに日焼けしにくいので存在に気づきにくいという特徴があります。ちなみに「UVA」を浴びてもあまり日焼けはしないものの、肌の成分に作用してシワやたるみの原因になってしまうので注意が必要です。

雨なのにふりそそぐ紫外線

雨の日に地上に届く紫外線は、晴れの日の約30%。「え、ゼロにならないの?」と驚いた人もいるかもしれませんね。
しかも例年5月から8月ごろにかけては、そもそもふだんの紫外線が強いので、30%に減っても冬の晴れた日と同じかそれより強いくらいです。

「冬でも晴れた日はちゃんと紫外線対策をしている」という人は、これからの時季、雨の日でもちゃんと対策をしないと、冬の間の努力が水の泡になってしまうかもしれません。

肌を守るなら、曇りでも雨でも対策を

これからの時季は、太陽が空のより高いところをとおるようになり、地上に紫外線が届きやすくなってしまう季節。
曇りや雨の日が多くなっていくため油断しがちですが、意外と紫外線は減っていませんし、おまけにシワやたるみの原因になる種類の紫外線に関してはほとんど減らないため、ここで対策をサボってしまうとあとで後悔することに…。

朝のスキンケアの最後は、UV対策効果のあるアイテムで締める!というのを習慣化するのがおすすめです。ちなみに今回解説した、シワやたるみの原因となる紫外線(UVA)に対する効果を表すのは日焼け止めクリームに書いてある「PA」の横の「+」マークの数ですが、もともと「+」~「+++」の3段階しかなかったのが、最近では「++++」という4つマークがついた最強ランクの商品も販売されています。

仕事や趣味のために外で長時間すごすことが多い人や、UVA対策が気になる人は、ぜひドラッグストアなどで探してみてください。

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。Instagramは「@megumi_kitchen_and_atelier」。
編集/サンキュ!編集部

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