アルカラス、新王者シナーとの激闘を制して全仏オープンで初めての決勝へ。グランドスラム3勝目に王手[全仏オープン]

アルカラス、シナーとの4時間マッチを制して初めての全仏オープン決勝へ

現地6月7日、「全仏オープン」男子シングルス準決勝が行われ、第2シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク2位)と第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/同3位)が対戦。2-6、6-3、3-6、6-4、6-3でアルカラスが激闘を制して、同大会で初めての決勝に進出し、3度目のグランドスラムに王手をかけた。

大会直前には右腕前腕の怪我もありながら、順調に勝利を重ねた21歳のアルカラスは、準々決勝で今大会の準優勝経験もある第9シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/同9位)を6-3、7-6(3)、6-4で撃破。2年連続で4強入りを決めていた。

同大会で初めての決勝をかけた試合では、今年1月の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たしたシナー。現世界ランク1位でディフェンディングチャンピオンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が準々決勝を前に棄権したことで、今大会後に更新される世界ランクで新王者となる強敵だ。

ツアーにおける両者の対戦成績は、4勝4敗と互角で、ハードコートでの戦いとなった今年3月のATPマスターズ1000インディアンウェルズではアルカラスが1-6、6-3、6-2で勝利している。

将来のテニス界を担う2人の試合で、まず流れを掴んだのはシナー。アルカラスの揺さぶりにも動じることなくクリーンにボールを捕らえて、開始から4ゲームを連取する。アルカラスは豊富な運動量を生かしたコートカバーリングで、第6ゲームをブレークし1つ返したものの、ラリー戦で的確にコースを変えてくるシナーが3度目のブレークに成功。6-2で第1セットを奪った。

第2セットも第1ゲームでブレークしたシナーだったが、サーブの精度が落ちるとアルカラスが伸びのあるショットで巻き返す。破壊力満点のストロークが次々とシナーに襲い掛かり、一気に5ゲームを連取。アルカラスが6-3でセットを奪い返した。

激しい打ち合い、そして相手のポジションを把握したネットプレーなどハイレベルな戦いが続き、第3セットではアルカラスが先にブレークする。だが、シナーも集中力を高めてより狭いコースにボールを集めて2ブレーク。タフな戦いが物語るようにシナーの腕や太ももに痙攣の症状が出ているのか、トレーナーにマッサージを受けながらも6-3でセットを取って、勝利まであと1セットとした。

あとがなくなったアルカラスだが、勢いに乗るシナーに食らいついてスーパーショットを連発。互いに良いプレーを引き出し、観客も熱狂する。ブレークポイントがなく締まった展開の中、第10ゲームでアルカラスのライン際への精度の高いショットに、シナーは耐えきれず。アルカラスがワンチャンスを生かして6-4と最終セットにもつれた。

一進一退の拮抗した試合は、最終セット第2ゲームでアルカラスがチャンスを生かしてブレークに成功。自らの手で流れを引き戻すと、その後もシナーの追い上げも振り切って6-3。4時間9分の激闘を制してアルカラスが全仏オープンで初めての決勝に進んだ。

2022年全米オープン、2023年ウィンブルドンに続いてグランドスラム3勝目を狙うアルカラスは、決勝で第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同4位)と第7シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同7位)の勝者と対戦する。

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