バイデン氏、米国民に民主主義へのコミットメント訴え 仏で演説

[ポワント・デュ・オック(フランス) 7日 ロイター] - バイデン米大統領は7日、訪問先のフランス北西部ノルマンディー地方で演説し、民主主義へのコミットメントを新たにするよう米国民に訴えた。世界が現在直面する独裁・権威主義と第2次世界大戦時にナチス・ドイツがもたらした脅威に言及した。

バイデン大統領は第2次大戦のノルマンディー上陸作戦の舞台となったオック岬(ポワント・デュ・オック)の崖上で行った演説で、同作戦で戦った米軍兵士らは「ここ欧州におけるロシアのプーチン大統領の侵攻に対し、米国が立ち上がると期待しているはずだ」と語った。

11月の米大統領選で対決する見通しの共和党のトランプ前大統領に直接言及しなかったものの、「最も自然な本能とは、利己的となり、自分の意志を他人に押し付ける。権力を掌握し、それを決して諦めないことだろう」とし、トランプ氏の孤立主義的な傾向を批判した。

その上で「今日われわれがここに集まったのは、1944年6月6日に驚くべき勇気を示した人々を称えるためだけではない。彼らの声に耳を傾けるためだ。彼らはわれわれに、米国が象徴することに忠実であり続けるよう求めている」とし、孤立主義に抵抗するよう米国民に呼びかけた。

6日行われたDデーの80周年式典では、バイデン氏は自由と民主主義の擁護を強く訴えた上で、西側諸国に対し、ウクライナへの支援を続けロシアに屈しないよう求めた。

また、7日パリで行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談では、米議会での対立で対ウクライナ支援の実施が遅れたことを謝罪し、2億2500万ドルの追加軍事支援を表明した。

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