群馬・桐生市でツキノワグマ捕獲 市設置のおりに

捕獲されたツキノワグマ

 群馬県桐生市梅田町で雄のツキノワグマ1頭が今月、設置されていたおりに捕獲された。周辺のスギ人工林では、根もと近くの外皮をクマが剥ぐ「クマ剥ぎ」と呼ばれる被害が相次いでいた。クマを巡っては、安中市で5月、住民が襲われてけがを負うなどしており、自治体や県警が注意を呼びかけている。

 捕獲されたツキノワグマは全長140センチ、重さ95キロ。同市の梅田ふるさとセンターから北に、車で10分程度進んだ場所で捕らえられた。近くで林業関係に従事する女性(45)が山菜への獣害を防ぐため、市に依頼して設置されたおりに、1日にかかっていた。

 女性は「まさかクマが入っているとは考えもしなかった。(おりの中にいるのを見つけた時は)大変だと思って近づかなかった。まだ他の個体もいるのではないか」と話した。地元の猟友会関係者を介して市にも報告し、その後駆除した。

 クマ剥ぎは一説によると、冬眠から覚めたクマが樹木の中の水分をなめようとするためにしているとも言われる。被害に遭うと、スギの内部に害虫が入るなどして木材としての価値が下がる。

クマ剥ぎの被害に遭ったスギの木の根元

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