実は2役キャラ&感動キャスト秘話!『マッドマックス:フュリオサ』リピート鑑賞前にチェックしたいG・ミラー監督の粋なイースターエッグ

『マッドマックス:フュリオサ』@カンヌ国際映画祭©︎2024 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.IMAXR is a registered trademark of IMAX Corporation.Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories.

『フュリオサ』洋画週末動員ランキング1位!

ジョージ・ミラー監督が贈る『マッドマックス』シリーズ最新作、『マッドマックス:フュリオサ』が全国各地で大ヒット公開中だ(日本語吹替版/IMAX(R)/4D/Dolby Cinema(R)(ドルビーシネマ)/ScreenX 同時上映)。

5月31日(金)に日本公開を迎えた本作は、オープニング興収としては前作『怒りのデス・ロード』の初週末(※2015年6月20~21日)の数字を超える成績を記録し、週末興行収入&動員ランキング並びに今年公開の洋画作品において初の週末動員ランキング1位を獲得する大ヒットスタートを記録。すでに何度もリピート鑑賞するファンが続出し、ネット上ではシーンやセリフ毎の考察も盛んに交わされている。

しかし、何度も劇場で鑑賞してもすぐには気付けないであろう“キャスティング・エピソード”ほか、ミラー監督が仕掛けたイースターエッグはまだまだ隠されている。ということで今回は、フュリオサ以外にも個性的な人物が多数登場する本作から、度肝を抜くキャラクターたちの<裏話>を紹介しよう。

実はクリヘムの妻も出演していた!? まさかの一人二役で夫婦共演

わずか3日間の物語だった前作『怒りのデス・ロード』に対し、15年にわたるフュリオサの軌跡を描いている本作。さらにフュリオサと、前作にも登場した荒野の支配者イモータン・ジョー勢力、新たにフュリオサの敵となるディメンタス一派の三つ巴となり、ストーリーもスケールもグレードアップした。

それに伴い、魅力的なキャラクターの人数も大幅アップ。なかでも強烈なのは、やはりディメンタス将軍を演じたクリス・ヘムズワースだろう。そして、この強烈なヴィランを演じたクリヘムの妻エルサ・パタキーも、『ワイルド・スピード』シリーズに出演するなどハリウッドで活躍している。

二人が結婚したのは、まだクリヘムが『マイティ・ソー』で世界的に有名になる前の2011年。彼の活躍を見守り続ける“おしどり夫婦”として有名で、各国で行われた映画祭やプレミア上映会に夫クリスとともに出席し、仲睦まじい姿を披露してきた。そんなエルサは、なんと『フュリオサ』にも出演! 立場も役どころも全く対照的な二役を演じ切る役者魂で物語に深みを与えるとともに、クリヘムと夫婦共演も果たした。

一役目は、物語の冒頭、フュリオサが盗賊に誘拐され、母ジャバサ(チャーリー・フレイザー)とともに助けに駆けつけるブロンドヘアの女性戦士、ヴヴァリーニ(Vuvalini)。ライフルで敵を撃ち抜く凄腕のスナイパーでもある強い味方だ。ジャバサと頭を突き合わせる別れが印象的で、<緑の地>でフュリオサ親子の帰りを待つ重要キャラでもある。

二役目は打って変わって、ディメンタス一派の野蛮なメンバーの一人、ノートンとして登場。もともとはディメンタスに捕まった捕虜だったが、捕虜同士で殺し合い勝者だけ助かるという狂気のゲームの生き残りであり、後にディメンタス一派に兵士として迎え入れられる役どころ。戦いにより上唇が引き裂かれ、恐ろしい形相をしている強烈なキャラクターだ。

若きイモータン・ジョーを演じた俳優は、ディメンタス一派の“あのキャラ”だった!?

前作『怒りのデス・ロード』でイモータン・ジョーを演じた名優ヒュー・キース・バーンが2020年に逝去したことで、今作では若き日のイモータン役に改めてラッキー・ヒュームが抜擢。新生ジョーとして強烈なインパクトを残した。

そんなヒュームは、実は本作で“別の役”も演じている。それはディメンタス一派に属する、片目を失った初老の荒くれ者、リズデール・ペルだ。<緑の地>の場所を知る幼いフュリオサを捕まえた手柄を横取りしようとする卑劣な性格のキャラクターである。

演じたラッキー・ヒュームは「リズデール・ペルのようなキャラクターは、派手で、不気味で、卑劣。40年のキャリアのなかで演じてきた役は、どれも演じていて楽しいものばかりだったけど、リズ(リズデール・ペル)は特に面白かったね」と、演じがいのある配役に満足している様子だ。

前作『怒りのデス・ロード』のメインヴィランだったイモータン・ジョーを演じながら、同時にディメンタスの仲間を演じているのは驚きだが、そのキャスティングについてヒュームは衝撃的な事実を明かしてくれた。

ジョージ(・ミラー監督)と話しているときに、彼が「あ、そうだ、イモータンは君に決まったんだ。君さえ良ければ」と言ったんだ。だから私は「もちろんいいけど、リズデール・ペルはイモータン・ジョーと同じシーンに登場するよね? リズデールの領地を侵さないならいいよ。だって、このキャラクターには多くの労力を費やしたからね」と。すると彼は「なんとかするよ」と言ったんだ。

なんと、実はヒュームはもともとリズデール・ペル役が先に決まっており、後からジョーの配役を聞かされたという。物語の超重要人物であるジョーの配役をさらっと決めるあたり、“創造神”ミラー監督の鮮やかな手腕がうかがえるエピソードである。

ヒュームいわく、ジョーの基本形はヒュー・キース・バーンが築いてくれていたとのことで、役作りとして『怒りのデス・ロード』のブルーレイボックスの特典映像を見返したという。急遽決まった大役でもしっかりとキャラクターを成立させたのは、ヒュームの俳優としての実力が一流だったからこそだろう。

ウルヴァリンに勇気をもらい、ついにアニャと共演した「ボミー・ノッカーの彼」

物語の中盤、フュリオサが巨大トレーラー、ウォー・タンクの上で戦闘を繰り広げるカーチェイスシーン。すでに映画を観たファンの中では、車体後部にある必殺武器「ボミー・ノッカー」を操作する小柄なウォーボーイの一人、ウォー・ポップ(War pup)の活躍が話題になっている。

このキャラクターは、オーストラリア先住民の血を引くクェイデン・ベイルズ(Quaden Bayles)が演じているが、実は彼は世界中で注目されたことのある人物。ベイルズは先天的に小柄な体形(軟骨無形成症)の持ち主で、それを理由に学校で酷いいじめに遭い、その事実を母親が世間に訴えたことで大きな話題となった。

すると、ベイルズと同じ症状を持つコメディアンのブラッド・ウィリアムズが彼のための寄付金を募り、歌手/女優のアリッサ・ミラノ、ドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズで有名なジェフリー・ディーン・モーガン、そして『X-MEN』シリーズのウルヴァリンで知られるヒュー・ジャックマンなど、名だたるハリウッド俳優がベイルズを励ます声明を発信。なかでもジャックマンはSNSに動画を投稿し、「クェイデンくん、きみは自分で思ってるより強いんだよ。それに、何が起ころうと僕は君の友達だ」と呼びかけた。

ハリウッドスターたちの励ましに勇気をもらったベイルズは、ミラー監督によって『フュリオサ』の重要キャラクターに抜擢される。いまハリウッドで最も注目されているアニャ・テイラー=ジョイとの共演も実現し、多くの人に希望を与える存在となったのだ。

絶賛公開中の『マッドマックス:フュリオサ』は、入場者特典も配布中。IMAXや4Dなど、様々なフォーマットで鑑賞することで、これまで気づけなかった更なる魅力を発見できるかも? 2回目以降に鑑賞する際は、ここで紹介したキャストのディテールにも注目してみてはいかがだろう。

【ネタバレ注意】これを観れば予習はOK! 映画『マッドマックス:フュリオサ』チャプター予告編👇️

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