クマ注意 出没マップ公開 三重県HPに、目撃急増で

【クマへの対応を確認する県幹部ら=県庁で】

 三重県内でクマの出没が相次いでいることを受け、県は7日、関係部局や県警の幹部らでつくる鳥獣被害対策連携会議を県庁で開き、クマの目撃地点をまとめた「ツキノワグマ出没情報マップ」を公開するなどの対策を確認した。

 「出没情報マップ」には、本年度に入ってからクマが目撃されたり、クマの足跡が見つかったりした日時や場所を地図上に掲載。同日午後1時から県のホームページで公開している。

 ホームページには、クマの出没が県内で急増していることを知らせるバナーも掲載。クマを目撃したり、足跡を見つけたりした場合は県に連絡するよう、県民に呼びかけている。

 また、来月にも林業者や狩猟者、登山客らにアンケートを実施し、クマの目撃状況などを聞き取る。野生動物の生態系に詳しい大学教授などから効果的な対策を聞き取るという。

 この日の会議では、清水英彦危機管理統括監が「全国的に警戒すべき状況。県外では人身事故も発生している。県民の安全と安心を確保するための対策に連携して取り組むように」と述べた。

 生川哲也観光部長は、SNS(交流サイト)を通じて観光客に注意を呼びかけると説明。中野敦子農林水産部長は、集落に現れたクマへの対応を確認する訓練を今夏にも実施すると報告した。

 この後、清水統括監は報道陣を通じて「初夏は繁殖期に入るため、出没が多くなる。山に入る際は鈴やラジオを携行するなどし、くれぐれも注意してもらいたい」と県民に呼びかけた。

 県によると、昨年度中に寄せられたクマの出没に関する情報は40件。統計を取り始めた平成18年度以降で最多となった。本年度は既に、熊野市などの8市町で19件が寄せられている。

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