片岡尚之は“夜のコソ練”でショット復調 首位と4差から3年ぶりVへ

好位置で決勝ラウンドを迎える片岡尚之(撮影:鈴木祥)

<BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2日目◇7日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース (茨城県)◇7430ヤード・パー71>

プロ転向後の3シーズンで平気パット数のスタッツで2位以下がないパットの名手・片岡尚之。国内メジャー今季初戦の2日目を3バーディ・1ボギーの2アンダー「69」で回り、トータル5アンダー・8位タイで決勝ラウンドを迎える。

予選ラウンドを両日ともアンダーパーでラウンドしたが、大会前の片岡は自分のゴルフに悩んでいた。「ひどすぎました。体があまり動いていない感じがした」。違和感があるまま初日を迎えるワケにはいかない…。水曜日は会場をあとにすると「夜はしっかり素振り、あとトレーニングをして」と重い素振り棒を使って納得がいくまで体の動きを確認したという。

重いものを振ることで「下半身の動かし方がこういう動きになるんだという。(体の)大きい筋肉を使わないと振れないので」とスイングのキモとなる下半身の動きをスムーズにするため、夜練。その甲斐あって、しっかりと下半身を動かせるようになった。

“夜のコソ練”のおかげで「体のキレが戻ってきた」と初日から結果がしっかり出た。「素振りからちょっと気づいたものがあって、それをコーチと話し合って、朝練習して、それがうまいことハマってくれて」と初日はパーオンが15回とチャンスにつけることができた。「全部が全部よかったわけじゃないんですけど」と前半は4バーディだったが、「後半は入らなかった」とオールパー。ショットは復調したが、得意のパットは18ホールで「30」と、グリーン上に不満が残った。

ラウンド後、サインや写真撮影のファン対応を終えるとすぐさま練習グリーンに向かった。そして2日目のパット数は「26」。前半はアプローチで寄せるワンパットのパーが6回と得意のショートゲームで耐えるゴルフを展開。「苦しい」となかなかバーディが獲れないなかでも、気持ちを切らさずに後半は14番から3連続バーディを奪取。トップと3打差でムービングデーを迎えることができた。

今年は5月の「中日クラウンズ」で最終日最終ホールまで優勝争いを展開している。6試合を終えて賞金ランキングは10位。得意のパットに加え、ショットにも光が見えている。3年ぶりのツアー2勝目へ、首位とは3打差。残り2日間で初のメジャータイトルを獲りに行く。(文・高木彩音)

© 株式会社ALBA