鹿島レジェンド本田泰人が森保Jを採点!|アピールのチャンスなのに覇気が感じられず。代表デビューの鈴木唯人も消極的だった【ミャンマー戦】

[W杯予選]日本 5-0 ミャンマー/6月6日/トゥウンナ・スタジアム

北中米ワールドカップのアジア2次予選で、森保ジャパンはミャンマーと敵地で対戦。5-0で勝利した。すでに最終予選進出は決まっていたなか、次のシリア戦を残して首位で2次予選突破を決めたことは良かった。

森保一監督はこの日、サブ組を中心にピッチに送り出した。対戦相手のミャンマーは戦術もなければ、体力も技術もなさすぎた。強化試合として物足りなかった。そんな相手に、チャンスをもらった選手たちがどれだけ強烈なインパクトを残せたか。

その視点で言えば、これといって該当者がいなかったのが正直な感想だ。

ミャンマーの体力がまだある前半のうちに、内容的にも数字的にも圧倒できなかった。相手のプレスも厳しくない。汚いファウルもない。それなのに、日本は後ろでスピードの遅いパス回しをしているだけ。アピールのチャンスだったのに、覇気が感じられなかった。

たとえば、小川航基は1トップでプレーし、75分、83分にゴールを決めた。結果を残したのは、いずれも後半だ。結局、前半で目立ったのは中村敬斗の個人頼みのプレーで、新戦力がフィットしていなかったことの表われだろう。

代表デビューとなった鈴木唯人は途中出場で右のシャドーに入ったが、消極的なプレーが目立った。U-23の時のように、もっと強気の姿勢を見せてほしかった。

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その他では、鎌田大地はあまりにもプレーが遅すぎる。それが彼のスタイルなのだろうが、チームのリズムを遅らせているように見えて、フィットしていたとは言いがたい。

橋岡大樹は立ち上がりから不安定なプレーが目についた。対人の強さを買われての3バックでの起用だったのだろうが、現段階のパフォーマンスを見ると、最終予選やワールドカップ本番で戦力となりそうなイメージが思い浮かばない。

一方で、安定したプレーを見せていたのは、攻撃では堂安律、守備では守田英正あたり。いずれも日本代表の常連組だったのが寂しいかぎりだ。

ワールドカップで勝つためには、チーム内の競争は必要だ。新戦力が台頭しなければ、チームは底上げされない。ミャンマーのようなレベルの相手に、アグレッシブにプレーできない選手はダメだ。U-23代表チームを見ても、即戦力として期待できそうなのは松木玖生くらいだろう。

ミャンマー戦で、日本は第二次森保ジャパンになって初めて3-4-2-1を採用した。オプションとしては4-2-3-1以外のシステムも使えれば、チームとしての戦い方の幅が広がるだろうが、チームの底上げのベースとなる新戦力の台頭がなければ、根本的には日本の強化にはつながらない。

もっとも、サイドバックの人材不足を考えると、3-4-2-1の変更には賛成だ。

アジアカップのイラク戦(1-2)で、日本は右サイドバックの菅原由勢を狙われて敗れたが、長友佑都、酒井宏樹に続くサイドバックの選手が出てきていない。

ミャンマー戦では、ワイド(ウイングバック)に入ったのは右が菅原、左が中村だったが、もっと強いチームとの対戦を考えると、守備面で不安が残る。

現状で4-2-3-1の場合、サイドバックの候補は菅原、毎熊晟矢、伊藤洋輝、橋岡あたり。3-4-2-1で考えると、ワイドの第一候補は右に伊東純也、左に三笘薫とハマりが良くなる。怪我さえなければ、3バックも伊藤、冨安健洋、板倉滉とメンツは揃っている。

この6月シリーズでは、伊東と三笘が不在だ。それに続く選手は誰になるのか。今回の招集メンバーの中に、毎熊の名前はない。ならば、左は伊藤か、右は長友か。攻撃的に行くなら誰を選ぶのか。次のシリア戦では、3-4-2-1のワイドのポジションに注目したい。

【本田泰人氏のミャンマー戦の選手・監督の採点は以下のとおり】
GK
1 前川黛也 |6

DF
21 伊藤洋輝 |6
22 橋岡大樹 |5.5
3 谷口彰悟 |6

MF
2 菅原由勢 |5.5
(→62分 14 相馬勇紀 |6)
5 守田英正 |6.5 ★MOM
(→80分 4 板倉滉 |-)
10 堂安 律 |6.5
(→HT 20 鈴木唯人 |6)
13 中村敬斗 |6
15 鎌田大地 |6
(→62分 11 前田大然 |6)
18 旗手怜央 |6
(→HT 7 川村拓夢 |6)

FW 19 小川航基 |6

監督 森保 一 |6

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
※MOM=この試合のマン・オブ・ザ・マッチ

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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