「アイガモロボ」で無農薬のコメを 水田をかき混ぜ雑草抑制 環境に優しい稲作へ 群馬・安中総合高生が自作

お手製のアイガモロボットと生徒たち

 環境に優しいコメづくりの一環として、安中総合学園高(栗原宏泰校長)生物資源系列水田班の3年生7人が、雑草の繁殖を抑制する効果が期待できるアイガモロボットを試験的に導入している。生徒たちらが自作したロボットで、水田をかき混ぜながら進んで雑草の成長を抑え、農薬を使わない安心安全なコメの収穫を目指す。

 コメ作りの先進地に以前、視察に出向いた際、アイガモロボットの存在を知った。アイガモのように水田の中をかき混ぜて水を濁らせることで、水中にある雑草の光合成を妨げる仕組み。市販品は高価だったため、同校でオリジナルのロボットを製作することにした。

 発泡スチロールや噴水ポンプを活用し、太陽光発電でスクリューが動くように工夫するなどして改良を重ねている。理想はロボット掃除機のように水田内をくまなく移動させること。

 水田班代表の今田ひめかさん(17)は「なかなか思うように動いてくれないが、安心安全なおいしいお米をたくさん収穫したいので頑張りたい」と、メンバーで知恵を出し合い、試行錯誤を繰り返す考えだ。

 安中市の水田で5日に開かれた市内小学校との田植え交流活動でロボットを披露すると、児童たちは興味津々の様子。今田さんは「子どもたちに喜んでもらえた。農業に興味を持ってもらえるきっかけにもなる」と期待を込めた。

 水田班の生徒は水稲栽培技術を高めるため、地元JAなどの講習会にも積極的に参加。地域に根差した活動を大切にしており、市内の小学生との交流活動を通して、農業の魅力を伝えている。

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