ホロライブ「さくらみこ」が「キャプテン翼」に異世界転生!?後追い世代に昭和名作はどのように映ったのか

(C)高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.(C)2016 COVER Corp.

「激アツだった!」「いいやつしかいなかったな……」

全7回にわたる配信の最後の感想パートで「チームメイト」に想いを馳せ、原作コミックにも興味を示していたさくらみこさん。

ゲームのモチーフとなった「キャプテン翼(以下、「キャプ翼」)」といえば昭和マンガの名作ですが、さくらみこさんは「サッカー知識ゼロ」どころか「キャプ翼」も通っておらず、まっさらの状態から本作をプレイしていました。

そんな彼女の目に、はたして「キャプ翼」はどのように映ったのか?

そして「自キャラのカスタマイズ」ではどのようなキャラが完成し、劇中でどんな活躍をしたのか?

「有名な作品なのに見たことがない」という方、そしてずっと好きで追いかけていた方へ向け、さくらみこさんが体験した「キャプ翼」の世界をお届けします!

◆「小学生の時にとんでもねえ歴史作ってんじゃねえぞ!」

今回みこさんがプレイしたのは、2020年にバンダイナムコエンターテインメントがリリースした『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』。原作のストーリーが追体験できる「EPISODE OF TSUBASA」と、その続きのオリジナルストーリー「EPISODE OF NEW HERO」がウリです。

原作の主人公「大空翼」。ドライブシュートを武器に強敵に挑みます。
翼は中学卒業後、「サッカー王国」ブラジルに渡ってプロ選手を目指します。
ゲームはアクション形式。強烈なタックルやスライディング、時には必殺技のせいでピッチが酷いことに……。

そもそも「キャプ翼」とは1981年から週刊少年ジャンプで連載がスタートした人気マンガのこと。「小学生編」「中学生編」「ジュニアユース編」を経て1988年に一旦連載終了となり、その後、1993年からは続編として再スタートして世界のライバルと戦い、2024年の4月で惜しまれつつ連載終了しました。

原作者は高橋陽一氏。1981年当時に連載していたジャンプマンガは他にも「こち亀」「コブラ」「キン肉マン」「Dr.スランプ」「3年奇面組」「キャッツ・アイ」などがあり、まさにアニメ化作品が絶えないヒット作のオンパレードだった時代に産声を上げた作品でした。

当時、日本ではまだサッカーのプロリーグがない時代でしたが、熱いストーリーと荒唐無稽な必殺シュートでたちまち話題に。「ドライブシュート」や「スカイラブハリケーン」をマネしようとする子供もいて、小学校の中には「スカイラブハリケーン禁止令」が出されるところもありました。

なるべく安全な環境で「スカイラブハリケーン」を再現するため、プールの時間に試した人も多かったのではないでしょうか。

またアニメは海外でも放送され、リオネル・メッシ、アンドレス・イニエスタ、ジネディーヌ・ジダンといった世界的プレイヤーの幼少期にも大きな影響を与えています。ファンを公言する選手も後を絶ちません。まさに国内外を問わずにサッカーブームを巻き起こした名作でした。

ちなみに「小学生編」「中学生編」「ジュニアユース編」をベースにした本作『キャプテン翼 RISE OF NEW CHAMPIONS』でも主人公の大空翼がサッカー留学の夢を度々語っていましたが、国内プロリーグが存在していなかった連載当時としては仕方のないことでした。

日本でプロリーグ「Jリーグ」が発足したのは1993年。「ジュニアユース編」で一旦幕を閉じた原作マンガが1993年から再スタートしたことを考えると色々な想いが湧いてくるはず。

そのあたりの時代背景を考えながらゲームをプレイしたり作品を楽しんだりすると、また違った視点が生まれてくるのではないでしょうか。

さてそんな「キャプ翼」ですが、昭和の作品ということで古さを感じる方も多いはず。しかし今回、さくらみこさんが追体験したストーリーは「努力・友情・勝利」を柱とした当時のジャンプマンガらしく王道の熱い展開が多く、むしろ芯のある作風に今でも引き込まれます。

例えば、対戦前はバチバチに火花を散らしていたプレイヤーチーム「南葛中学校」とライバル校「大友中学校」が、もともとは同じ小学校出身ということもあり試合後すぐにエールを送りあう関係に。

「負けたら何でもしてやる」と挑発していた大友のキャプテン「浦辺反次」も、敗北後は南葛のムードメーカー「石崎了」に「全国大会にいくおれたちを応援してくれ」と笑顔で返され、「こうなりゃ目いっぱい応援してやるぜ!」と力強く約束するなどスポーツ少年らしい爽やかな場面を魅せてくれました。

この場面にみこさんも「スポーツ少年、いいやつらしかいないのか!」とニコニコ顔です。

敗北後の浦辺。潔く約束を守ろうとします
そんな浦辺に対し、石崎は粋な返答を
まさにボールが結んだ友情です

また心臓病を抱えながらもピッチに立つ「武蔵中学校」のエース「三杉淳」に対しては、心臓が壊れる寸前までボールを追いかける「ひたむきな姿」に「おいキャプテン翼、熱いぞみんな!」とリスナーに絶叫。「小学生の時にとんでもねえ歴史作ってんじゃねえぞ!」「舐めてたぞ、マジで面白いぞ、どういうこと?」と興奮気味に語っていました。

実際、目が見えなくなるほど病状が悪化する中、それでも仲間たちに支えられながら執念のゴールを挙げるその姿は自然と涙があふれる名シーンです。ゲーム版では「MEMORY」コーナーにて、ダイジェストという形で収録されていたエピソードでしたが、みこさんが夢中になるのも納得のドラマチックな内容でした。

◆熱戦約6時間!マンガ世界を体現した花輪中学戦

本作は「EPISODE OF TSUBASA」と「EPISODE OF NEW HERO」の2本立てで構成されたゲームです。

「EPISODE OF TSUBASA」は初心者向けの難易度でストーリーを追体験するチュートリアルモード。原作で言うところの「中学生編」をベースに、第16回全国中学生サッカー大会で熱戦を繰り広げます。

続く「EPISODE OF NEW HERO」は原作で言うところの「ジュニアユース編」にあたりますが、本作のベースとなったアニメ化第4作では未放送(当時)の部分であったため、「ジュニアユース編」をベースにしつつもオリジナルストーリーが展開します。

プレイヤーのオリジナルキャラが参戦するのもこのモードから。感情移入度も一気に上がります。

さてそんなゲーム本編でみこさんが最初に「キャプ翼」の洗礼を受けたのは、「EPISODE OF TSUBASA」(中学生編)の東第一中学校戦での出来事でした。

それまでチームを越えた友情、心臓病を抱えた三杉少年の魂のプレーに感動していたみこさんですが、物語に没頭する場面よりもアクション操作に苦戦する場面が多く見られるようになります。

第1回目の配信の3時間33分あたり、東第一中学校との試合では、自チームのキーパー「森崎有三」が自陣のゴールにボールを放つという致命的な操作ミスを! このオウンゴールにリスナーも「これは酷い」「なにしてんの?」と大爆笑です。ガックリと膝を抱えてうなだれる森崎に、みこさんはひたすら爆笑、そして台バンするしかありませんでした。

問題のオウンゴール
森崎もがっかりです

その後、花輪中のエース「立花兄弟」(双子)がアクロバティックな攻撃が得意だと知ると「おい空中サッカーって何だよみんな!」とツッコミを入れつつ、実際にスカイラブハリケーンを食らって「なにこれやってみてぇ!」と大興奮です。

当時の小学生もそう思ったからマネをして先生に叱られたのでした。

双子ならではの息の合い方で繰り出される「スカイラブハリケーン」
空中に打ち上げられた方が……
強烈なシュート!

しかし爆笑しながらツッコミを入れていたのもここまで。

花輪中戦はスカイラブハリケーンを披露する強制イベントシーンがあるため、1点を追いかける状況で戦わなければなりません。この難易度の高い展開に、まだ操作に慣れていなかったみこさんは苦戦に次ぐ苦戦を強いられます。日をまたぎ、第2回の配信では4時間近くを費やしますが、それでも勝つことができませんでした。

そうなると心配になるのがリスナーです。

なかなか状況が打開できずにいるみこさんに対してアシスト機能を提案しますが、みこさんは「ここまで来たら自分で勝ちたい。どんなに沼ろうが……」と拒否。

「それでクリアしたら、絶対みこ、モヤっちゃうもん。自分の力で花輪をクリアできないんだよ。楽さを知っちゃうじゃん。それは嫌なの」と熱いハートを覗かせます。

この姿勢こそまさに原作者・高橋陽一氏が作中で表現していたこと。どこまでもひたむきに突き進み、どこまでも勝利にこだわり栄光を掴む。みこさんもまた南葛イレブンの一員として花輪中と戦っていました。

点を取れば取り返され、立て続けに放たれる立花兄弟の猛攻を森崎が全力で阻止します。まさにシーソーゲーム。立花兄弟の脚にも限界が来て「スカイラブハリケーン」を放てなくなりますが、それでも別の技を繰り出して南葛のゴールをこじ開けようとします。さらに30分ハーフの熱戦では決着がつかず、戦いの舞台はPK戦へ……。

決着がついたのは配信開始から約5時間後のこと。勝利したのはもちろん南葛中学。2日間合計約6時間の死闘を制し、ついにみこさんが花輪中に勝利しました。

この段階ですでに「キャプ翼」の世界にのめり込んでいたみこさんですが、本番はやはり「EPISODE OF NEW HERO」モード。このモードでは好きな学校を選び、オリジナルキャラクターをエディットして自分だけのストーリーをつむぐことができます。

キャラエディットでは、顔のタイプ、髪型、目や眉の種類と位置調整、シューズも選べます

みこさんが作成したのは、ピンクの角刈りが印象的な大男「桜みこお」。チャームポイントは「つぶらでまっすぐな瞳」。画面に登場するなり大爆笑を巻き起こす“大型新人”です。

そんな彼がリスナー投票で決めた「東邦学園」に入学。大空翼の最大のライバルである日向小次郎とともに世界のライバルと戦うことになるのですが、実況中のキャラ付けのせいでおかしな方向に向かうことになってしまいます。

東邦中学ルートでは、戦力増強策として新人のレギュラー起用が提案されます。桜みこおの出番を心待ちにしていたみこさんもリスナーも、このあたりからザワザワしはじめました
選考会でついに「桜みこお」が登場! その「絵面の強さ」にみこさんも大爆笑です
キャプテンの日向に迎えられるみこお。みこおの袖まくりは、憧れの「日向先輩」をリスペクトしたものです。以後、彼は日向の卑屈な手下ムーブをすることに……

日向の手下ムーブで卑屈に振舞ったかと思えば、対戦相手の上級生に対して「年下相手に恥ずかしくないの?」の選択肢で挑発。心臓病を抱えつつサッカーに打ち込む三杉淳に対しては「心臓を蹴破ってでも勝たせてもらう!」と煽り散らかします。まさに清々しいほどの「煽りカス」! こんなキャラ、「キャプ翼」では見たことがありません!!

その一方で、「桜みこお」の辛辣なひと言がチームの目を覚まさせ、よい方向へと導く展開もあり目が離せませんでした。

みこおのビックマウスシーンその1。対戦相手に「容赦はしないからな」と言われて……
みこお「年下相手に恥ずかしくないの?」
とんでもないビッグマウスです
みこおのビッグマウスシーンその2。日向に世界との力の差を尋ねられ……
みこお「逆に聞きますけど、差なんてあります?」
しかし逆にそのビッグマウスが心強かったりします

「桜みこお」が合流してからは、世界大会へ向けての代表選手選び、各校から集ったドリームチームで挑むワールドマッチと、ここでも熱い展開が用意されていた本作。原作の人気キャラクターのひとり「カール・ハインツ・シュナイダー」もここから登場しますし、もしも「タイトルは知ってるけど実際に見たことはない」という方がいたら、この配信を入り口に「キャプ翼」の熱い世界に飛び込んではいかがでしょうか。

注目のカール・ハインツ・シュナイダー
最後に桜みこおの勇姿を。ゴールを決めて喜んでいるだけなのに、なぜか絵面が面白いキャラです

(C)高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会 (C)BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

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