木梨憲武、アートは「偶然で生まれます」 リアルイベント前に大物へ“直電オファー”

『木に梨はなる』の抱負を語るとんねるずの木梨憲武

7月14・15日に東京ドームシティホールで開催

お笑いコンビ・とんねるずの木梨憲武(62)がMCを務めるWOWOW『木に梨はなる ~みんなのアート~』から生まれたイベント『木に梨はなる 真夏の大収穫祭2024 みんなのアートミュージック』が7月14、15日に東京ドームシティホールで開催される。木梨と親交のある歌手、俳優、格闘家、アスリートらを招き、観客と一体になってアートを楽しむイベントだ。本番まで残り約1か月。木梨自身がイベントの狙いと抱負を語った。(取材・文=大宮高史)

――『木に梨はなる』では毎回ゲストを招いて、アートに興じてきました。

「番組が始まった時からWOWOWさんが『ゆくゆくはライブもやりましょう』と言ってくれていて、だから僕からというよりはWOWOWさんの肝いりなんです。このイベント(笑)。もちろん、番組同様に笑いに音楽、さらにスポーツも絡めて、ライブの中でも本当に作品を作っていこうと考えています」

――生のイベントということで、面白い演出も期待されますが。

「番組でやっているように僕自身が絵の具でぐちゃぐちゃになってグラフィックアートを作ったり、ダンサーさんにも踊るだけでなく絵の具にまみれてもらうかもしれません。なんなら、お客さんにも白い服で来てもらって、一緒に東京ドームシティホールの床を使って絵を描いてみたいけど怒られるか(笑)。野外のイベントにすれば良かったかも」

――ゲストも音楽、お笑い、スポーツの各方面からで多彩な印象です。

「サッカー界からは大久保嘉人さんや城彰二さんに出ていただきます。サッカーボールに色をつけて彼らに蹴ってもらうだけでひとつの作品になるのがアートです。長州力さんにも出演してもらいたいなと思っていて、絵の具つきの“リキラリアット”で皆ぐちゃぐちゃになるのもいいですね。こんな構想を長州さんに話したら『よく分からないけど、面白そう』って言われちゃった。まだ交渉中だったり、名前を出せない人もいるんだけど、とにかくたくさんの方に声をかけています。今もある俳優さんに出てもらおうと電話をしているんだけど……(ここで自ら電話をかけるが留守電)。まあ、OKしてくれるでしょう。皆が知っているあの曲やこの曲とグラフィックアートが融合するかも」

芸術で大切なことは「勢いと偶然」「将来のことは考えない」

――かなり“勢い任せ”で企画が進んでいるようですね。

「アートになる瞬間って、いつでもちょっとした偶然で生まれます。独身時代には顔に絵の具を塗りたくって、半紙を押し付けた“顔拓”を、友達が面白がってくれたのでプレゼントしたりしていました。以前、全国で開催させてもらった僕の個展のポスターも、アトリエにいて服がペンキで汚れたから、その勢いで顔も頭も極彩色のペンキまみれにしたところを写真に撮ってもらって生まれました。番組でもクロちゃんたちと一緒に、冬なのに絵の具まみれになって、シャワールームもないスタジオだったから(笑)、着替えないで寒空の中、絵の具を乾かしてそのまま帰ったなんてこともありました。勢いと偶然が芸術には大切かな。そのクロちゃんも今回、出てくれます」

――イベントは2日間で、ゲストも日替わりになると聞いています。

「ちょうど今、『2日間をかけてどんな作品を作れるか』を考えているんだけど、大きなキャンバスに絵を描いていって形になっても、大きすぎて皆さん持って帰れないじゃないですか。だから、皆さんが家に帰って飾りやすいように、僕がカットしてプレゼントしてあげるのも面白い。他にも、ステージで行うからには『照明をどう見せるか、楽器にペンキをぶっかけたらどうなるのか』なども本番までにテストしていきますが、本番でないとできない演出もあります。何が起きるかわからないハラハラぶりを楽しみにしていてください」

――11月には、とんねるずとして29年ぶりの日本武道館公演。マルチな活動が続きます。

「僕は『あと何年でこうしよう』という将来のプランはほとんど考えたことがなくて、『今日、遭遇したことをネタにしていこう』と思って毎日を生きています。個人のアートイベントもこれから控えていますし、同時並行でいろんなことを実行に移すのが楽しいのかもしれない。『真夏の大収穫祭』は大物のゲストたちが芸を見せてくれる上、他では絶対見られない、絵の具まみれでぐちゃぐちゃになる姿が見られます。本当は童心にかえった気分で、もっと思い切りやってみたいんだけど『どこまでやったら怒られるか』のラインも分かっているので(笑)、怒られない範囲でアートを追求していきます」大宮高史

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