平和宣言文起草委員会 長崎市側が「被爆した詩人の詩」含む素案示す

8月9日の平和祈念式典で長崎市長が読み上げる「平和宣言」について考える委員会が長崎市で開かれ、市側が素案を示しました。

8日は2回目の会合で、長崎市の鈴木市長や被爆者、有識者など15人が出席しました。

市側は前回、委員から出された意見を集約し素案を示しました。

素案には長崎で被爆した詩人の詩が引用されています。

委員からは核兵器の非人道性や生き残った被爆者の苦しみなど詩の「訴える力」を
評価する声が相次ぎました。

その上で「人間と核兵器は共存できない」との文言を盛り込んだり、「詩をもっと生かす構成にしてはどうか」といった意見が出ました。

核兵器をめぐる情勢については、複数の委員が核軍拡が進む現状に危機感を示しました。

朝長万左男委員
「核抑止政策が止められない、核を利用することを止められない現状を指摘した方がいい」

中村桂子委員
「すべての人間が核兵器を支持し、使う側に回ってしまう。「核軍拡が進んでいる」と言い切って、その上でこの現実に我々は立ち向かっていくのだ、との決意を示す形でも良いのかな」

前回の会合では、原爆を開発したアメリカの物理学者を描いた映画「オッペンハイマー」への言及を求める声も上がりましたが、市は全体のバランスを検討した結果、触れるのは難しい、としています。

起草委員会の最終会合は7月6日に開かれます。

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