「緊張でこんがらがって…」今季ツアー初出場の高久みなみ 大逆転の出場権確保へ

大逆転のツアー出場権確保へ(撮影/松本朝子)

◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープン3日目(8日)◇六甲国際ゴルフ倶楽部(兵庫)◇6526yd(パー72)◇晴れ時々曇り(観衆5958人)

来週の「ニチレイレディス」終了後、フルシードを持たない選手のツアー出場優先順位を再編する第1回リランキングがある。昨季実績なら51位までは実施後の「アース・モンダミンカップ」から「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」までの12試合にフル参戦できたが、順位は上に越したことはない。そんな出場権争いに、本大会だけで一発勝負をかける選手がいる。

プロ3年目の21歳、高久みなみは今週が“ツアー開幕戦”だ。昨年の最終QTが69位。前週までの14試合は出場できず、マンデー予選会(主催者推薦選考会)を突破してやっと出場機会を得た。

現在の獲得ポイントはもちろん0ptだが、仮に今大会を単独10位になれば61.5pt。現時点の暫定リランキングなら29位に相当し、一気に多くの出場試合が手に入る。「父からはそう(一発逆転を)言われているんです」。自信なさげにつぶやく高久だが、夢物語ではない。

10位タイで予選通過を決め、この日は3バーディ、3ボギーのパープレーで12位タイと踏ん張った。最終18番はティショットを左林方面に曲げながら、第2打を花道に運ぶ冷静なマネジメントでパーセーブした。

アマチュアだった2018年「三菱電機レディス」で8位になったことはあるが、主な実績はそれぐらい。父の幸夫さんは地元福島のグランディ那須白河の支配人を長年務め、姉あずさはティーチングプロ、次姉ゆうなもプロを目指す“ゴルフ一家”で育った。だが、2000年度生まれで古江彩佳、西村優菜らと同じ“プレミア世代”とはいえ「私はたいした実績もない」とあまりつながりもない。

この日は最終組の4組前でプレーした。「こんな場所で回ったことがないから、緊張で頭がこんがらがっちゃって…」。排水口付近に止まったボールの処理で、頭が真っ白になってしまい、同組の笠りつ子に「優しく教えてもらったんです」と苦笑いした。

勝負がかかる最終日。「今週はすごく自信につながる大会になると思います。今までやってきたことのすべてを出して、攻めるところは攻めて頑張ります」。ドキドキしながら、ラスト18ホールに挑む。(神戸市北区/加藤裕一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン